34 / 110
34
けれども言ってしまって、今ある楽しい空気感を壊したくないという結論に至って言えないままでいる。アンディのことはアンドロイドのことを蔑むような人ではないだろうと思ってはいるが、踏み込んだ話までしていないので実際のところは分からない。
ひたすら考えながらアンディの料理を口にしているうちに、ロイドはぺろりと完食してしまった。最後まで美味しさを感じ続けられなかったのが少し残念だ。
「ごちそうさまでした」
「片付けは俺がやっておくから、ゆっくり休んでくれ」
「ありがとうございます」
ロイドは立ち上がり、着替えを持って脱衣所へと向かった。今のうちならアンディは片付けをしているので入ってくることはない。
アンドロイドが身体をきれいにする方法は、基本的に濡れたタオルで拭くだけだ。一応飲食はするものの、外装にとって水分はあまり好ましくないからだ。
ともだちにシェアしよう!

