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「こ……ここがよく分かったな」
「俺が頑張って探し出しました。さあ所長、早く戻ってきてください」
男性の声に、アンディは一歩下がった。
明らかに嫌がっている様子に、ロイドは一歩前に出てアンディをかばうように立つ。
「やめてください。アンディさんが嫌がってます」
「その人は、仕事を放ったらかして逃げ出していたんです。部外者のあなたには関係ありません」
「えっ……?」
女性の鋭い言葉に、ロイドは思わずアンディの方を振り返った。当の本人は、ばつが悪そうに視線を逸らしていた。
「アンディさん……?」
しかしアンディは何も言わなかった。どうやら女性の言葉は本当のことのようだ。確かに犯罪や悪いことに巻き込まれているわけではないが、仕事を放るというのは無責任だ。あまりにも意外なアンディの姿にロイドは驚いた。
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