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「研究施設……あっ、少し山奥のところですか?」
「そうだ」
アンディは固い表情のまま話し続けている。そんなに仕事のことが嫌なのかと思いつつも、ロイドに対してだけやけにぶっきらぼうな気がしてならない。
「アンディさんはどんな研究をされているんですか? それに被験体って?」
「我々は主にアンドロイドの心について研究をしております。身体に負荷のかかる実験は一切しておりません。心についてとは言っておりますが、一応精密検査の類も一通り設備が整っているので、よろしければ無料で行います」
「えっ、それは申し訳ないです……。検査って技師さんも大変では……」
「お気になさらず。所長がご迷惑をおかけしたお詫びということで」
相変わらず淡々と話すサリー。しかし、最初の冷たい印象は残っているものの、ロイドはいい人であると感じるサリーに対してできることは協力したい気持ちになってきた。
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