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「ありがとうございます。あの、一つお聞きしたいことがありまして……」
「何でしょうか?」
「ここから研究所まで少し遠いと思うんです。もちろん協力したい気はあるんですけど、仕事に支障がある気がします」
「報酬はしっかりと出させていただきます。お仕事は、申し訳ございませんが続けるのは難しいかと思います」
「そう、ですよね……」
ロイドの中に迷いが出てきた。仕事はもちろん続けたいし、アンドロイドと言ってしまったのもあるけれど純粋にアンディの力になりたい。ロイドはとても悩ましかった。
「ロイドさん、どんなお仕事をされていますか?」
「バーで働いています。ウエイターではなくて歌手として」
「なるほど。それでしたら、研究所で同じように歌っていただいても大丈夫です。他の研究員や、逃げ出すような人の娯楽になるかと思うので」
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