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 研究所から街まではそこそこ距離があるため、街に到着したときには昼を少し過ぎようとしていた。  おまけに、世間一般はどうやら休日のようだった。人通りが多く、とても賑わっている。 「結構人がいますね」 「そうだな。カレンダー関係なく研究してたから忘れてた」 「皆さんのお休みは不定期でしたね」 「皆で交代で休むことで、研究所全体が常に稼働しているようになっている。まあ、皆研究熱心だからどちらかといえば無理矢理休ませてるんだがな」  歩きながらそう話すアンディはやけに楽しそうだった。研究所の皆のことを心から信頼しているようだ。サリーやライルという近しい存在を見ていても、アンディのことを慕っていることがはっきりと窺える。連れ戻したときはアンディに呆れた様子であるが、実際のところは互いに信頼している。

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