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アンディはメニューを広げてロイドに見せてきた。
「何にする?」
「うーん……。この店の料理はどれも美味しいんですよね。悩みます……。あっ、じゃあ、全部アンディさんのお気に入りでお願いします」
「分かった。飲み物は……ロイドはノンアルコールだな」
決まってすぐ、マスターは注文を聞きに来てくれた。メモを取らずに全て記憶しているところは、まるでアンドロイドのようだった。
しばらくすると、先に飲み物がやって来た。
「一杯目は私からのサービスです」
「いいんですか? やったー」
「ありがとうございます」
二人でマスターにお礼を伝え、すっとグラスを持って掲げた。
「アンディさん、今日はとっても楽しかったです」
「俺も楽しかったよ、ロイド」
乾杯、と、そっとグラスを鳴らした。
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