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「アンディさん!」
ロイドはアンディの震える手をぎゅっと握った。予想外の行動なのか、アンディははっと頭を上げた。
「僕、怒ってません。むしろ、ようやくアンディさんの行動の理由が理解できて安心しました!」
「ロイド……」
「それに、その方はアンディさんのことを最期まで大好きだったと思います。好きじゃなければ、かばうなんてことしませんよ」
「それは……考えたことなかった……」
アンディは少し和らいだ表情を見せた。ロイドの考えが伝わったようだ。それに、と、ロイドは言葉を続ける。
「きっと、許さない相手は運転手のことだったと思います。だから、その方の分までアンディさんは生きた方がいいですよ!」
「そこまですると、きっと引かれるな」
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