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「アンディさんも……僕のことが、好き……?」
キスをしてきた、苦しそうな表情をしていた、先ほどのアンディと本に出てくる『彼』の姿が重なった。同時に、ロイドの中にある苦しい感覚の意味もはっきりとした。
「僕の中にあるのは、アンディさんが好きってことなんだ」
アンディと過ごしてドキドキしているときも、アンディのことを考えているときも、ロイドの中にあった苦しさは全て好きということに当てはまった。
ロイドの言葉で伝わるかは分からない。けれども、もう一度きちんと伝えたい。
アンディが帰ってきたら話そうと、ロイドは部屋で待っていた。しかし、辺りがすっかり暗くなってもアンディはまだ帰ってこなかった。
「大丈夫かな、アンディさん……」
昼間もロイドが入室する音に気付かないほど集中していた。過労で倒れていないか心配になってきた。
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