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何発目かのところで、突然視界が真っ暗になった。どうやら視界の回路が壊れてしまったようだ。もうこのまま壊れて動けなくなってしまうのだろうか。
せめて、アンディにきちんと好きと伝えられればよかった。後悔がよぎっていた。
遠くの方から足音が聞こえてくる。アンドロイドが壊れるときも、誰かが迎えに来てくれるらしい。
「ロイド!」
だが、その声はアンディのものであった。必死な声は今の状況を見ているようだ。
「こんの侵入者め!」
鈍い音がしたかと思えば、ロイドにかかっていた重みが急になくなった。ドサリ、という音と男のうめき声が聞こえたということは、男はアンディによって攻撃されたのだろう。
「ライル、俺たちで取り押さえるぞ。サリー、警察に通報してくれ」
「分かりました」
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