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「アンディさん」
ロイドが声をかけるが、アンディは起きなかった。よっぽど疲れたようだが、元に戻ったことをどうしても早く見せたい。ロイドはアンディの肩を揺すりながらもう一度アンディを呼ぶ。
「アンディさん、起きてください」
「んっ……ロイド……ロイド!」
「おはようございます、アンディさん」
ロイドはニコリと微笑んでみせた。すっかり治ったと示すために。
「ロイド……よかった!」
アンディは少し目を輝かせながら、ロイドにがばりと抱きついてきた。そして、腕に力を込めてぎゅっとロイドを抱きしめた。
ドキリ。
アンディに触れられた途端、アンディに対して何度も感じている感覚がした。アンディが好き。これだけは何も変わらない。ロイドは顔をうずめているアンディの身体をそっと抱き返した。布越しに伝わるアンディの温もりがやけに心地いい。
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