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第77話 Ωだからしょうがない※
ドキドキしながら手の中のそれを撫で回すと、さっきよりもギラついた顔で新が俺に貪る様なキスをしてきた。口の中いっぱいに押し込まれた大きな舌で撫で回されると、征服される気がして、それは何だか凄くエロい気がして興奮してしまった。
「うわ…、岳凄い事になってる。まったく、新のキスで蕩けてるのが気に入らないけどな。ほら、岳、こっちにも集中して?」
そう言って馬鹿みたいに俺の中の指を震わせて、俺の中の馬鹿みたいになっちゃう場所を押し込むから堪らない。俺はビクビクと呻きながら仰反る羽目になった。卑猥な水音が部屋に響いて、それが自分の興奮した音だというのがどうしても受け止められなかった。
「い、いや、ああっ、かなとっ、もう、やだ…。」
ズルリと俺の中から出ていくのを感じて、俺はぶるりと身体を震わせた。
「まだ、岳は色々恥ずかしいのかな。もっと鳴かせたいけど、そんな顔されたら、ちょっとかわいそうかな。」
そう言って俺を覗き込んでうっそりと微笑む叶斗はお喋りすぎて、羞恥心が増すんだけど…。けれども、俺にそんな余裕があったのはほんの一瞬だった。新が俺を後ろから抱き込んで、俺は気がつけばベッドにうつ伏せになっていた。
これからされる事の予感に気恥ずかしさと、それを上回る期待に、俺は肩越しに後ろを振り返った。新が俺に覆いかぶさりながら、俺のネックガードの上にキスすると、ゾワゾワと怖い様ななんとも言えない感覚が襲って、俺はブルリと震えた。それから新は俺の肩に甘く啄むようなキスを落として、ゆっくりと俺を征服してきた。
重量感と圧迫感に苦しい気がしたのは最初だけで、すぐに甘い快感が俺を支配して、馬鹿みたいに出したことのない喘ぎ声を喉から溢れ出した。自分のこんな声はいつ聞いても慣れないけれど、直ぐにそれに構っていられ無くなった。
新の動きが生み出す、引き絞られる様な快感に俺は夢中になって、シーツを握りしめた。何処かに縋り付いていないと自分を保っていられない。すると叶斗が俺を抱き起こして、自分の腿の上に俺を抱えた。
目の前に猛り切った叶斗のそれが濡れそぼっている。俺はその甘い匂いに惹かれて、思わず手にして唇を寄せた。後から考えるといやらしいにも程があったけれど、その時は只々甘い誘惑に引き寄せられていたんだ。
後ろから新に突かれるスピードが速まると、俺はもう舌で愛撫する余裕もなくて、ただ新のもたらす動きと一緒に掴んだ手が揺さぶられた。新の腿が俺に叩きつけられて、痛いほどの音を鳴らす頃には、俺はチカチカする様な絶頂に飛ばされて、新の名前を細く叫んでいた。
時間差で、俺の握った叶斗のそれからビュクビュクと飛び出す、甘さを感じる青臭い匂いが俺に飛び散って初めて、我に返った俺は叶斗を見上げて呻いた。
「あぁ、酷い…。これって顔射…だよな。んっ、俺もした事ないのに…。」
すると叶斗はニンマリ笑って、俺の唇につるりとした先端を擦り付けて言った。
「今度岳にもやらせてやるから。楽しみにしてな。その時は俺の名前も呼んでね。」
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