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第110話 叶斗sideノットを腫れさせて※

 吸い付く様な岳の窄みに、俺の猛り切ったそれをゆっくりと押し込んで行った。けれどもうねる中で我慢できずに、俺は思わず腰を突き出して奥まで一気に連れて行かれてしまった。 「あああっ!はっ、ああっ、いっ!」  途端に岳の切羽詰まった甘い叫び声が部屋に響いて、俺はますます目の前が真っ赤に変わる様な興奮を感じた。俺はこれまでにないほど股間を張り詰めて、締め付けられる岳の中で可愛いがられていた。  無様に搾り取られる気がして、俺は歯を食いしばって、パチュパチュと溢れる様な水音を立てて、挿出を繰り返した。岳を抱えた新が人より敏感な、可愛い岳の胸元に齧り付いたのか、急にぎゅっとうねるので、俺は堪えきれずに押し込むようにさらに奥へと腰を忙しく動かした。  チカチカする様な快感に投げ出されて、俺は腰をグリグリと押し付けて、文字通り搾り取られていた。俺の根元のノットはゴリゴリに膨らんで、Ωの中から子種を漏れさせないようにアルファの本能を曝け出した。  普段そこまで膨らまないそれは、岳への独占欲を示すかの様で、俺は腰を震わせながら長い吐き出しを味わっていた。吐き出しを味わう様に岳の中が時折うねるのも堪らなかった。  幾らでも続けられそうなそれは、しかし目の前の新の歯を食い縛る顔を見ると、ハッと我に返って、文字通り渋々と岳からの撤退を余儀なくされた。  俺が出ていくのに合わせて、ぶるっと背中を震わせて、鳥肌立つ滑らかな岳の肌を手でなぞって、記憶に染み付かせようとする俺の執着心は、何処からくるのだろうか。  新が甘やかす様に、縋り付く岳に口づける姿を、胸の奥から湧き上がる苛立ちと諦めを同時に感じながら見つめると、ベッドから心地よい気怠さを感じながら立ち上がった。  意識して二人を見ないようにして、部屋の備え付けの冷蔵庫に歩き寄ると、ぎっしり詰まった中から炭酸の強いドリンクを選んでひと息に飲んだ。  ワンフロアのこの部屋は、家具が上手く配置されているせいか、ガランとした雰囲気は無い。趣味の良い小物が、いかにもやり部屋という雰囲気を隠している。俺はベッドに戻ると、縁に立って、早速四つん這いになった岳を串刺しにしている新に苦笑すると、ベッドに乗り上がって、岳の口の中へドリンクを、ゆっくりと口移しで流し込んだ。  岳は気持ち良さ気に喘ぎながらも、俺が飲ませるドリンクをもっと欲しがって、甘えた声で強請った。 「かなと…。もっと。もっと飲ませて…。」  こんな時は妙に可愛くなっちゃう岳と、むせかえる岳の甘いフェロモン、この爛れた情欲で新に揺さぶられる岳の動きに、俺の昂りはあっという間にビンビンに勃ち上がってしまった。ああ、今は何も考えずに岳に溺れるよ。今は。

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