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第112話 新side特別なΩ※

 意識が途切れがちな岳も、たっぷりアルファの体液を取り込めばしばらくは覚醒していられる。俺が経験のないこのΩの発情期は、やはり変異Ωのせいで、予想通りというわけにいかないのかもしれない。  あの時岳が言った言葉、『俺ってラビットケースだって。俺はアルファを食い散らかす悪いΩだ…』あれはどういう事なんだろう。俺の腕の中でぐったりと目を閉じている岳の熱い体温を感じながら、ふと思い出していた。  岳のフェロモンを感じれば、燃え盛る様な岳を貪りたいと感じる身体の衝動が襲って来た俺に、岳は少し諦めを滲ませた欲情した表情で囁いた。あれからその意味を考える余裕なく、俺は岳をとことん味わってしまった。  柔らかな赤らんだ窄みは、溢れてくる蜜でクチュクチュと甘い音を立てた。俺の猛り切ったブツで撫でれば甘く呻いて懇願してくる。俺は直ぐにでも突き入れたいのに、岳のいつもよりずっと馬鹿になった、甘いおねだりが聞きたくて自分の額に汗を滲ませた。 「あらたっ、くれよ…。お前の大きなソレで…、俺の中奥まで擦ってっ…!」  普段なら絶対言わない岳の甘い懇願に、俺はニンマリした。それでもまだ岳を焦らして、胸元のツンと尖った赤い果実の様なソレを唇に挟んでなぶった。それに呼応する様に、俺の押し当てた昂りを呑み込もうと誘う、ぬめりがどっと滴って、俺はとうとう我慢できずに腰を突き出した。  ズブリと押し込めば、不思議なくらい吸い付く岳の中は俺を追い立てて、思わず呻いて何度も腰を揺らしてしまう。さっきから俺の下で甘く喘ぐ岳が可愛くて、俺にしがみついてキスを強請るのもたまらない。 「…岳、キスしたいのか?」  俺が殊更ゆっくりと大きく腰を揺らせば、岳は甘く呻きながら俺をとろけた眼差しで見つめて言った。 「あううん、んんっ、して…、キスして。甘いの欲しい…、あああっ!」  岳の甘い眼差しに思わずガツガツと突き入れてしまった俺は、もう一度深呼吸して岳の腫れぼったい唇に噛みついた。直ぐに反応して舌を伸ばしてくる岳と口の中の柔らかさに溺れながら、俺は太腿をグッと抱え上げてもっと奥へと自分を押し込んだ。 「あ、あっ、あらたっ、それこわいっ、んんっ!」  俺が奥をコツコツとじっくりと突き上げれば、もうキスにも集中できなくなった岳が目を見開いて俺を怯えた様に見つめる。もう何度も経験してるはずなのに、いつも快感に怯えるのは岳がまだΩになりきれてないからなのだろうか。 「シー、大丈夫だから…。ほら、気持ちいいな、岳の中、俺にしがみついてもっとしてくれって強請ってくるぞ。」  すると途端に安心した様に俺にしがみついて、熱い息を吐き出した。 「ん、気持ち良いっ、あ、ああんっ、気持ちいいっ!あらたっ!あっ、あっ!」  そうなると俺も余裕はすっかりなくなって、腰がいかれそうなくらいベッドに磔にした岳を抉る様に腰を振り立ててしまう。すっかり出るものも少なくなった岳は、中イキを続けながら、俺を貪り続けるから、俺もまた今度こそ持たせようと思っていたのに、ノットを腫らして馬鹿みたいに岳に種付けしてしまった。  長く続く激しい快感に、俺も岳もすっかり息も絶え絶えで、正に絶頂という小さな死を何度でも経験して、再び生き返った。ああ、岳、俺はもうお前無しの人生など考えられないよ。岳は俺のものだ。俺を殺すも生かすもお前だけだ。

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