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第131話 叶斗の匂い※

 頭が痺れる様なむせかえる叶斗の匂いに、俺は馬鹿みたいに身体を疼かせていた。早く目の前の旨そうなそれを貪りたい。俺は何だか馬鹿みたいな事を口走っている気がしたけれど、そんな事はどうでも良かった。  横たわって差し出された、猛り切った叶斗自身を唇で覆えば、もっと嗅ぎたくなる様ないやらしい匂いがした。ああ、この匂いは俺を馬鹿みたいにゾクゾクさせる。  夢中で叶斗のそれを味わっていると、呻き声と共に、俺の窄みをなで回る柔らかな叶斗の舌を感じた。ふわふわとする気持ちよさは焦ったくて、ダラダラと滴る俺の卑猥な液体があちこちに滴っている気がした。  不意にドスンと目の前がチカチカする様な強烈な衝撃を感じて、俺は思わず仰け反っていた。攻撃的なその叶斗の指遣いに只ひたすら翻弄されて、身体の奥を締め付けさせられた。  ああ、何て気持ちいいんだろう。もっと、もっと欲しい…!  俺の貪欲な身体はさっきから鳥肌立って、頭の中はぼんやりと快感に蕩けていた。すっかり叶斗の逞しいヌメついたそれを愛撫も出来なくなって、俺は切れ切れに声を上げて懇願していた。 「叶斗、ちょうだいっ、俺の奥にこれ、食べさせてっ!」  途端に、大きく息を吐いた叶斗にぐるりとひっくり返されて、のし掛かって来た叶斗はいつもと違って怖い様な眼差しで俺を見た。  「岳、俺が欲しいかっ、もっと欲しがれっ。」  ひくひくする俺のはしたない窄みにグッと押し付けて、でも挿れては来ない叶斗に俺は焦れて懇願した。 「欲しい、叶斗のほしいよっ!ああ、好き、叶斗すきっ!」  途端にめり込む叶斗の圧迫感に俺はどこか安堵して、狂わんばかりのお預けが終わる事にホッとした。 「ずるいっ、岳それずるいよ!」  そう言いながらいつもの俺に甘い叶斗に戻って、一気に串刺しにされた俺は、だらしなく温かな白濁を飛び散らしてしまった。  「ところてんとか、岳可愛すぎて俺止めらんないっ。」  そう息を切らしながら必死で腰を打ち付ける叶斗に揺さぶられながら、俺は確実にいい所を擦られて、馬鹿みたいな嬌声を上げていた。  ああ、もう死にそうに気持ちいい、このまま永遠に高みから降りて来られない恐怖さえ感じる頃、ようやく叶斗が長い吐き出しを開始して、アルファの根元の膨らみにロックされた俺はブルブルと痙攣する事しか出来なかった。  「もう、俺お前やだ…。」  ひりついた喉から搾り出した掠れ声に、叶斗は相変わらずの甘いトーンで俺を抱きしめながら言った。 「岳が欲しがるから、俺の愛情をたっぷり注ぎ込んだだけじゃんね。少し休んだら、もう一回しようね。今度は岳にこれ使わないとね。せっかく買ったのに使う余裕なかったからさ。」  そう言って、俺の胸でバイブを震わした。俺、殺される?

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