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13※
「…………」
バイブの動き、僕のナカの最奥をドンドン強く突いてくる、そうだと思えばバイブの先端が円を描くようにうねり、最奥の辺りをくるくるなぞるように刺激してくる。――とはいえ、全部慣れてきた。毎日のことで、僕は身も心も慣れてきている。
もう慣れてきて、しばらく耐えていたらやっと、変 な 声 も出さなくなってきた。――自分の足元に這いつくばった僕の頭を踏み付けてくるケグリ氏は、僕をあざ笑う。
「…ふん、やっぱりなぁユンファ…、どれだけア ル フ ァ の 真 似 事 をしようが…お前は人の足元に這いつくばっているのがお似合いの、惨めなヤ ガ キ なのだよ。」
「――……、…」
これが――這いつくばって靴を舐め、頭を踏み付けられている僕の姿が、オメガ本来の姿…似合っている、らしい。…そうなのかもしれない。
「十条家の血が入ってる私から言わせてもらうとな、…お前みたいに身の程知らずの調子に乗ったオメガは、それこそ大学院なぞに通ってたって、馬鹿そのものにしか見えんぞ。ふん、やっと身の程を知ったんだ、私に感謝しなさい。…」
「…………」
僕を明確に嘲笑うケグリ氏の粘ついた声には、僕が床に這いつくばっている姿を見下ろしていることによる、優越感を覚えたような響きがあった。
十条家――今はなき、アルファの家系の一つだ。
ケグリ氏は自分に、そのアルファの血が入っていることを鼻にかけている。――別にどうでもいいけど。
僕は別に、ア ル フ ァ の 真 似 事 なんて、生まれてこの方一度もしてきたつもりはないのだが。――ケグリ氏は僕が、大学院に通っていたことが気に食わないらしいのだ。
僕がオメガにして大学院にまで通っていたのを、彼はなぜかやけにア ル フ ァ の 真 似 事 だ、と言って責めてくる。
「…もうわかっているなユンファ…、お前の本質は…ココなのだ。――おまんこだ。」
「…んァあ、♡ ク…ッ」
前にかがんだケグリ氏が、グッと僕のチノパンの上からバイブの尻を押し込んできた。…そしてケグリ氏は、まるで僕に呪 い をかけるよう――毎日のように、こ の 言 葉 を言うのだ。
「ヤ ガ キ の本質など、――所詮おまんこなのだよ、ユンファ…お前はおまんこだ。ちんぽなんてつけて調子に乗りおってからに、…このメス奴隷が。」
「…は…ッはぁ、…はい、僕はおまんこです…僕はメス奴隷です…、ご主人様の、メス奴隷です…」
はい、そうですと僕は素直に答える。
耐えろ、今は従え、従順なふりをするんだ、今は――今はこの人を恨まない。
「…ケグリ様のメス奴隷です…、僕は余計なおちんぽのついた、メス奴隷です…」
僕は頭を上げ――ケグリ氏へと笑顔を向けた。
「…僕のような、どうしようもないメス奴隷を飼っていただき、本当にありがとうございます…――。」
全部終わったら
絶対
「はは…、セックスのことしか考えていない馬鹿オメガなので、毎日いろんな方に犯していただけて、僕は今、やっと本当に幸せです…」
ぶっ殺してやるからな――。
“期限”はあと一年半もないのだ。僕は家族のために耐えると決めたんだ。父さんと母さんのために、僕は耐えるんだ。…今は耐えろ――それだけが、僕に唯一残った誇りだ。…彼らを守るためという、…それは、僕がこうなってもなお唯一守り続けてきたプライドなのだ。
この仕事にも慣れてきた。――本当だ。
僕は本当に、こんなことには全部慣れた。
僕は笑ってしまう膝を奮い立たせ、テーブルに手を着きながら立ち上がった。
「…グフフ、いい子だユンファ…」
「…ありがとうございます、ご主人様…、…」
絶対ぶっ殺す――あくまでも借りがあるからだ、じゃなきゃお前みたいな社会不適合者の変態に、僕が従うわけないだろ。
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