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                       僕の濡れてしまったソコに、君の指がちょんと触れる。  ――まだ誰も受け入れたことがないソコが、君を欲しがって濡れている。   『…恥ずかしいな…こんなに、濡らしちゃって…ごめんね……』    ここには、可愛らしく頬を染めるユメミしかいない。  ここにはいない。誰にでもソコを見せて、何も思わないようなユンファはいない。   『はは、気持ちよかったんだね。よかった、むしろ嬉しいよ。…もっと気持ちよくしてあげるね』   『…………』    ここは何百本も勃起を突っ込まれて、もうすっかり広がり、そうやって荒々しくナカを掻き回され、踏み荒らされた場所じゃない。…それでも淫乱に快感を覚えて、…絶頂するような場所じゃない。    たくさん愛撫をしてくれて…体がほぐれて、ナカも外も、頭もとろとろになって…そうしたらやっと、君の大事なところを、受け入れる…――ゆっくり…。   『ゆっくり挿れるよ…痛かったら言って…』   『…あ、うん…、……っ』    ゆっくり君が入ってくる。君のは大きくて…硬い。  冷たい。痛くないのが悲しい。だけど…気持ち良い。    好きな人の大事なものだから、気持ち良いんだ。  誰のものでもいいわけじゃなくて、君のだから。  君のだから、僕…気持ち良いんだよ。   『…ちょっと、やっぱ、…初めてだから、キツいかも…』   『…ごめんね…』   『いや、気持ちいいよ俺、…でも、ユメミが辛いだろうから……』   『…………』    僕を…待って、くれるんだ。  ありがとう、優しいんだね…――待ってもらったことなんかない、いつも自分勝手にナカを掻き回されて、痛くても僕は耐えて、濡れていなくても、血が出ても、…笑顔でお礼を言わなきゃいけない、「薄汚い性奴隷のまんこなんかにおちんぽを挿れてくださりありがとうございます」違う、違う違う違う違う、違う、――君は、そんなことしない。   『…よし…全部入った、もう動いていい?』   『ん…うん……』    だから僕はうなずく。  嬉しいと笑顔を浮かべて――うなずく。   「…ぁ…ふ、……ん…っ」    だめ、ご主人様にバレてしまう、違う…声出ちゃった、ごめん、…きも、ちいい…変な声出してごめんね、いやらしい声、出してごめんね…――本当に、ごめんなさい。  僕のこんな声、聞きたくもないだろうに、ごめんね…君が萎えていないといいな…ごめんね…ごめんね…――ぬちゅぬちゅ音が立つのも恥ずかしい…でも…君だから僕、こんなに濡れたんだよ。  君だからこんなに気持ち良くて、君だから…大好きな君だから、僕は、――気持ち良くて…イっちゃう、   「っはぁ、…〜〜ッ♡♡」    僕…誰とでもイったりしないんだよ、カナエくん、  誰のものでも気持ち良くなったりなんかしないんだ、  誰でもいいわけじゃなくて、誰とでも濡れたりなんかしない、僕、誰とでもエッチしたりしないし、――初めてでイくなんてあり得ない…違う、――僕は好きな人の君だから、感じたんだよ。     『お願い…信じて…――カナエくん、大好きだよ…』   『はは、もちろんだよユメミ…愛してる。――本当に、綺麗だよ』     「……、っふふ……」           「………、…」    恥ずかしい。馬鹿げた、妄想だ。  だが、妄想でくらいは理想を描いていたかった。  そうじゃなきゃ僕は、それこそ死を……僕のこの妄想は、確かに僕を癒やし、生かしてきたのだ――。       

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