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ぼくはきみの目をふさぎたい 147 ※ ※モブユン | 🫎藤月 こじか 春雷🦌の小説 - BL小説・漫画投稿サイトfujossy[フジョッシー]
目次
ぼくはきみの目をふさぎたい
147 ※ ※モブユン
作者:
🫎藤月 こじか 春雷🦌
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147 ※ ※モブユン
天蓋
(
てんがい
)
の四方からすきまなく垂れ下がる夜の
帷
(
とばり
)
は、この広々としたベッドをその星々のきらめく夜空の暗闇で包みこんでいる。 そして、俺に正常位の格好で組みしかれているユンファさんの顔の隣には今、『ケグリご主人様』と表示された通話画面
――
すなわちケグリと電話のつながった彼のスマートフォンが、この暗闇の中で不穏な微光をはなっていた。 今しがた腰の動きを止めた俺は、
己
(
おの
)
れの下で聡明な表情をうかべ、その黒く長いまつ毛を伏せている
――
ケグリの次の出方をうかがっている
――
ユンファさんの、そのほんのりとうす桃色の差した両頬を、この両手でやさしく包み込んだ。 つと上がった彼の紫の瞳が、俺の発光する水色の瞳を見る。 「なんやあんた、えらい可愛らしぃ笑顔浮かべはって……」 とそして俺は、わざと
――
嫌味ったらしい
――
柔らかな声で言った。なおこれのイントネーションは関西の、もっといえば京都のそれである。 「ねぇ…、せやけど、ちょっと
呑気
(
のんき
)
なんとちゃいますか…?
――
今あんたのやっすいおめこんなか入っとんのは、そりゃあ残念やろけども、大好きなご主人のちんぽやないねんえ……」 俺はそう言いながら両腕を立て、ユンファさん
――
その頬をじわ…と赤く染め、その肉厚な桃色の唇を可憐にうすく開き、その紫の瞳を小刻みにゆらしながら俺を見上げて、ドキドキと心臓の鼓動を速めているユンファさん
――
を見下ろし、あえて「犯す」ような激しさで腰を振る。 するとユンファさんは「あっ…♡」と声をあげ、俺にひと突きされるたび「ぁ…っ♡ ぁ…っ♡」と喉をあまやかにはずませながら、俺の立てられた腕を両方すがるようにきゅう…とつかむ。 「ふ、そんな暴れたって無駄や、…っ人の気ぃも知らんで、…ねぇ満足ですか? そらなんにしたってカップル仲がよろしぃんは結構ですけど、それにしたってねぇ…、ご主人との仲ぁわざわざ僕に見せ付けるとか、ほんまやすけないお人やねぇあんたは、…」 暴れたって無駄?
――
ところがユンファさんは、実際にはちっとも暴れてなどいない。 かえって彼は大人しくゆさゆさと俺に縦にゆさぶられながらも、俺の目をうっとりと見つめている。 「ぁ…っ♡ ぁ…っ♡ ぁ…っ♡ …ふ…っふく、♡ っん…♡ ……、…」 しかし
――
『彼の関西弁…やっぱりすごく色っぽい、…このままじゃ僕、本当に、』と彼は懸念するなり、斜め下へ顎を引き、その黒い
秀眉
(
しゅうび
)
を色っぽくひそめ、またその長いまつ毛を伏せながら、 「…ぁ、♡ ッあ、♡ ぃ…ッいや、ぁ…!♡」 と、あくまでも嫌がっているふりをする。 「ふ、♡ け…っケグリ、おじ…っさん、…」 そしてそう、助けを求めるようなか細い声でその男の名を呼んだ
――
が、 『…………』 ……ケグリは例によってまた閉口している。 それは、その男にとっては(ユンファさんの)客以前に、ヒエラルキー上位のアルファ属、そのアルファ男の俺が口を開いたからである。
――
今助けを求めている愛する美男子のそれに応えるより、ヒエラルキーのほうを優先するとはつくづく情けない男だ……が、今度ばかりは(無論愛するユンファさんのために)このバカキモドブガエルの気分を良くしてやる、というミッションが俺に課せられている以上、 「ぁ、♡ ぁぅ、♡ ケグリおじさん…っ! 僕っいや、…いやぁ……っ! もういやだ、…っ」 俺は強引にユンファさんを揺さぶりながら、その男に聞こえるように、だが機嫌をそこねた男の低い小声でこう言った。 「…何嫌そうな顔しとん
に
(
・
)
ゃ
(
・
)
、けたくそ悪い…」 「…ぁ、……?」 が、…するとユンファさんは途端に、きょとんと目を丸くして俺を見あげてくる。
――
『
に
(
・
)
ゃ
(
・
)
…?』 「……ん、♡ …? ……??」
――
『
猫
(
ね、こ
)
……? いきなり…猫の、鳴き真似…? あんなにサディスティックなセリフで突然何…、いや、噛んでしまっただけか……?』 「……、…、…」 俺の顔がみるみる熱くなってゆく。 違うのですよユンファさん、
――
俺は今間違っても猫の鳴き真似なんぞをしたわけではない。もとより噛んだのでもない。 これはその実方言…
――
京都弁(京都ことば)の形態の一種なのである。 しかしまあ気を取り直して…俺はギシギシとすさまじくベッドをきしませながら、腰を振りつづける。 「はぁ…はぁ、あー精子あがってきたわ、…何が〝帰ったらラブラブなえっちいっぱいできるね〟や、ほんま人をコケにすんのも大概にせえよこの肉便器が、…このままなか出して孕ませたるさかい、もっとオナホらしくおめこ気張りや、…」 「ぁ…っ♡ っはぁ、…け、ケグリおじ…っさん、僕、な…なかに、出されちゃ、
――
危険日なのに、」 するとユンファさんも気を取り直し、俺に揺さぶられながら演技をつづけてくれる…が、 「そんなんいうてももう孕ませたるから。…はよおめこ気張り、
――
なあ気張りゆうてん
に
(
・
)
ゃ
(
・
)
、…ゅ、ゆる…ぃ、…」 ……しまった、また「にゃ」を…
――
。 「…っんぐ、…、…、…」 するとユンファさんは「ツボ」に入ってしまったようで
――
『また〝にゃ〟って、…っなんか、駄目だ、可愛い、』
――
自分の口を片手でおさえ、眉を寄せ、目を伏せ、息を止め……必死に(これ以上)ふき出さないようにと努めはじめている。 ……そうして今真っ赤な顔をしているユンファさんは、およそしばらくは発言できないことだろう。それこそこれで無理に口を開いても、この(俺が作り出した)シリアスな雰囲気に反して彼、いよいよ笑い出してしまうか…、そうでなくともその声に場違いな笑いが含まれてしまうに違いない。 だがもちろん俺は、このようにとっさのフォローをくり出す。 「もうええわ、…あぁ首ぃ
絞
(
し
)
めたら多少はマシやね…、…あーー……」 俺がこうしてユンファさんの首を絞めて腰を振っている、ということにさえしてしまえば、少なくとも彼がしばらくのあいだ発言できない理由付けになる。
――
なお、もちろん実際にはそのような酷い真似などしていない。 「……、…、…」 俺の目を見上げてくるユンファさんの、その(笑いをこらえて)ふるえている上下のまぶたにはさまれた紫の瞳は、『助かった、また彼に助けられてしまった、…あとでお礼を言わなければ…』と、俺のフォローに救われたとの感謝がこめられている。 よかった…
――
それでは続けようか? 「なああんた、…これはその実復讐なんや、人の気も知らんとようご主人との仲見せつけてくれはってねぇ…
――
せいぜい愛するご主人以外の男に孕ませられて帰りや…
――
危険日がなんや、ほんなら逆に絶対孕ませたるわ、…無責任に中出ししてあんたのこと孕ませたるさかい覚悟しぃよ、
――
はぁ、はぁ、…ほら、〝貴方の精子で僕を孕ませてください〟ゆうてみぃ……」 とは言いつつ、俺は『何も答えないでください』と首を横に振った
――
するとこの暗闇のなかでも、ユンファさんの目には、俺の発光している水色の瞳はそのように横に振れて見えたはずである
――
。 「……、…、…」 「なんやその目…、ふん、まるで〝あくまでも僕が欲しいんは愛するケグリおじさんの精子だけ、僕が孕みたいんはおじさんの子だけ〟や言うてはるような目やね……」 なおもちろんユンファさんは、本当はそのような目などしていない。
――
彼は俺に揺さぶられながら、いまだ笑いをこらえているようにひくつく両目を(無心になろうと)伏せただけである。 「…ほんま腹立つわぁ…。ほんならあんたの愛するご主人に聞いてみよか、ねえ…
――
ご主人、僕はこんままこのクソ肉便器孕ませてよろしんにゃろか…?」 『…ふー…っ、ふー…っ、ふー…っ』 「……っ?」 あ゛…? あんた何シコってん……? ケグリは今どうも
ク
(
・
)
チ
(
・
)
ク
(
・
)
チ
(
・
)
ク
(
・
)
チ
(
・
)
と
(
・
)
忙
(
・
)
し
(
・
)
そ
(
・
)
う
(
・
)
である。 ……わざわざこの俺が(お前のような
箸
(
はし
)
にも棒にもかからない
不細工
(
ぶさいく
)
・愚鈍・変態と三重苦どころか一個も取り柄のないくせにみっともなく思い上がった中年ガエルでも、まあほんのちょっとは)男を見せられるチャンスをくれてやったというのに、己の(変態)性欲でそれを棒に振るつもりか…
――
? 「……、ご主人、聞いてはります…?」と俺は一旦腰を止め、あらためてケグリに話しかける。 「このまんまやと僕、ほんまにこの危険日の肉便器んなか出してしま……」 『ふー…っ、ふー…っ、いいのかユンファ君、いいのか、
――
私以外の子種をなかに出されていいのか、妊娠しちゃうよ、…君は私の子どもを孕みたいんだろう、…』 「……、…」 いや、僕はあんたに聞いてんにゃけど……。 せっかく僕がお前のような男にも見せ場を……とはいえ、この変態は、あくまでも自分だけを一途に想っているユンファさんが、他の男に無理やり犯され、はてには無理やり妊娠させられる……という状況に、ひどく興奮するタチなのであろう。 つくづく…つくづく救いようのない男である。 すると(このままでは堂々巡りだ、と見かねた)ユンファさんが、自分の口もとを押さえていた手をはずし
――
やっとのこと笑いの波が
凪
(
な
)
いだ、と判断してのことだろう
――
「ゲホっ…ゲホゲホっ…」とせき込む演技をしたのち、 「は、…いっ嫌っ…!」 と切なくか細い声を出す
――
冷静な伏し目で
――
。 「…はっ…ぁ、け、ケグリおじさん、…ふっ、うぅ…
――
お…おじさん…、ケグリ、おじさん、…僕、…僕はどうしたらいいですか、ケグリおじさ……」 『はぁっはぁ、ユンファ君、』 するとケグリはユンファさんの、このあたかも愛するケグリ以外の精液はなかに受けたくない
――
ひいては俺の子どもなど妊娠したくない
――
が、といってケグリの要望(命令)次第ではそれをすら甘んじて受け入れる、というような切ない迫真の演技に余計そそられたらしく、『はぁ、はぁ、はぁ、』と音割れし、ザラついたノイズとなるほど息を荒らげながら、甘ったるい声でこう言う。 『嫌がってるユンファ君はほんとに可愛いなぁ、ユンファ君、私のユンファ、
――
ユンファ、そのままおまんこにお客様のザーメンいっぱい出してもらいなさい、』 「……っ?」
――
はあ……っ? 俺は眉をひそめた。 「う、で、でも、…」とそれには、ユンファさんが困惑したふりで返す。 するとケグリは次に猫なで声でこうのたまったのである。 『何大丈夫だ、帰ったら私が綺麗にユンファのおまんこ
隅々
(
すみずみ
)
まで舐めて綺麗にしてあげるから、全部吸い取ってあげるから安心しなさい、
――
いや、もちろんそのあとは、他人棒の子種をまんこに入れられて悲しんでるユンファを慰めながら、たっぷりとご褒美のザーメン中出ししてあげるよ、…だからな、な、』 「……、…」 ……俺は
唖然
(
あぜん
)
とした。 これでユンファさんに愛されたいとはもはや無理がある。…というよりか彼のみならず、誰がこんなやつを愛そうか? もはや言葉も出ない……。 それで何が「大丈夫」なのだろうか? さすがのケグリもこうした折には、「やめろなかに出すな」と愛するユンファさんのことを
――
せめて口先ばかりでも
――
守る(腟内射精を止める)はずだろうと俺は踏んでいたが
――
それによってケグリとユンファさんの「虚構のラブストーリー」を盛り上げてやろうとしたのだが、
――
…こいつ、今は(あくまでも厳しい目を向けて彼を飼っている
体
(
てい
)
のSM的ご主人様モードではなく、)いわば「(ユンファは自分だけの
嫁
(
もの
)
的)旦那様モード」であるというのに、…それであってもなお……。 なるほど…これは俺の考えが甘かったと言わざるをえない。…コンプレックスがあるくせ、いや、それだからこそ一番にヒエラルキーを気にしているケグリは、それこそアルファ属の俺相手には自分の口から「やめろ、私のユンファのなかに出すな」だなんぞとはっきり言えるだけの勇気はないのだろう。 こいつ、相手がアルファともなればどこまでもおもねるというのか…
――
いや、ともすれば先ほどユンファさんに「いいのか?」と聞いたのだって、自分で言う勇気はないから、彼のほうから言え、と……? まあたしかにこの状況で電話越しに「やめろ」と言ったところで、彼が膣内射精されてしまうことを防ぐことはできないかもしれない。…そもそもそれを言って相手をへたに逆上させるよりかは、許してしまったほうがまだマシだ、そのほうがまだせめても彼の身を守れるはずだ、という苦渋の決断をしたがゆえのことかもしれない…
――
と、ケグリ以外の男がこれを言っているのなら、俺もせめてそうした情状酌量を与えたかもしれなかった。 しかし、かえってそのような
陵辱
(
りょうじょく
)
をうけているユンファさんを、己れの醜い欲望の興奮のタネにまでしているこの男に、そんなある種賢明な、合理的な思考などあるはずもない。 なるほどね……? ……俺とて知ってはいたつもりだったが、さすがに驚かされる。 男として…いや
――
もはや人として醜悪。 「……ゎ、わかった…
――
ケグリおじさんがそうしてほしいなら、僕……」 とユンファさんがけなげな忍び声で応える。 しかし彼の伏し目はどこまでも冷厳としている。…その実彼のほうは全てを見越していたのだ。
――
そもそも嫌っている男に守られたいだなんぞとはもとより思っていたわけではないが、いずれにしても今更これでケグリに失望などしない。 なぜなら失望とは、どだい希望や期待なくしては生じない感情だからである。 ……俺は呆然としていたが、彼のその割りきったしたたかさに
――
たとえこれまでの経験則から、割り切りざるをえなかったゆえに得た強さだとしても
――
はたと我に返り、 「ふ…なんや愛するご主人は、あんたが俺の子孕んでもかまへんにゃってねぇ…
――
いやぁ…かわいそやなぁあんた……」 と、この策略の成功を得るため、ユンファさんとともに演技をつづける。 ××× 皆さま、お久しぶりでございます…! いつもありがとうございます! ちょっと「目」の闇深な感覚をとりもどすのに時間をくってしまい遅くなりましたが、先日告知させていただきました通り、今回より当作の更新を再開させていただきます。 ※なお更新休止のご報告文にあったとおり、そちらの文章は、皆さまに作品をお読みいただくにおいて邪魔になりそうな気がするので、削除させていただきました。 ※また直近にあたる146のあとがき(帰還しました的なやつ)も、この147のあとがきと内容がほぼ同じであるため、混乱を避けるために削除いたしました。 ただ、現在連載中の「ぼくはきみに鍵をかけたい」ならびに「春さる神代の記憶(略)」と並行しての更新となりますので、当作の更新は最速で「二日おき」となりますこと、当作をご愛読くださっている皆さまにお詫びもうしあげますと共に、ご了承いただければ幸いです。 ※なお具体的な順番は、「目(当作)」→「春」→「鍵」→「目」……となります。 ※僕の私生活の運びやコンディションによっては(今回のように)、二日おき以上にお時間をいただいてしまう可能性もございます。申し訳ありません…>< 改めまして、これまでの休止期間中、お待ちくださっていた皆さま、そしてそのあいだにも応援のお気持ちを下さいました皆さま、本当にありがとうございました! 大変おまたせいたしました…!! 今後ともぜひよろしくお願いもうしあげます。ラブ! 🫎藤月 こじか 春雷🦌
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