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第17話 番外編6 R18

「これは……」  セオドアは瞠目し、そこを凝視する。  やはり通常の人間にないものがあるというのは異常だろう。 「気持ち悪いですよね。すみません……」 「綺麗だ」 「へ?」  思わぬ返答に間抜けな声が漏れる。 「これは鱗かな? 龍神の鱗?」 「ええ、どうしてかここだけが戻らなくて……」 「何を躊躇っているのかと思えば……。とても綺麗だよ。触っても?」 「……はい」    セオドアがそこに触れると、オルビスの背をゾクリと快感が駆け抜ける。  え? 何これ。これは駄目だ。  セオドアの手が鱗の一枚一枚を確かめるように触れる。   「あっ……ちょ、まって、ッ」 「ん? 痛い?」 「痛くはないけど、変な感じが……」 「そうか。龍の性感帯なのかな? 冷たくて滑らかだ。とても触り心地がいいからずっと触っていたいほどだ」    そう言って執拗に撫でられ、オルビスはせめて恥ずかしい声が出ないようにと必死に口を閉ざした。 「ねえ、声を聞かせて」 「でもっ、恥ずかし、ッ……ん」 「恥ずかしいことはないさ。可愛いよ」  可愛い、可愛いと言うけれど、どこが可愛いのかオルビスにはさっぱりわからない。  ただ腹を撫でられただけで、息も絶え絶えだ。これ以上のことをするなんて耐えられえそうになかった。  そうこうしているうちにセオドアの手はさらに移動し、肌の感触を確かめるように蠢く。  その手が小さく主張する胸の尖りに触れ、体が小さく跳ねた。  自分でも体を洗う時以外に触ったことのないそこは、小さな快感を拾う。まさか、女でもないのにそこに快感を覚えるなど信じられなかった。 「オルビスは敏感だね」 「や……っ、意地悪言わないでっ」  涙目になって訴えるがセオドアは楽しそうに笑う。  片手で胸を弄りつつ、下履きの中にもう片方の手が侵入しオルビスの股に手が伸ばされた。そこはいつの間にか熱をもち透明な蜜を溢していた。長い指に包まれ、オルビスは身を固くする。 「いっ、ぁん……っやだっ」 「オルビス、私を感じてくれて嬉しいよ。力を抜いて……」 「ん、ふぁ…っ…」  再び降ってきた甘い口づけに翻弄される。  想い人と肌を重ねることがこんなにも熱く気持ちがいいとは思わなかった。触れるセオドアの手や唇、全身から想いが伝わってくる。  嬉しい。  いつの間にか身に纏っていたものは全て剥ぎ取られ全裸にされていた。一方、セオドアはしっかりと夜着を纏っている。 「セオドアも脱いで。僕だけは恥ずかしい……」 「ああ、そうだね」  サッと全てを脱いだセオドアの身体に月明りが差す。  服を着ているとスマートに見えるセオドアだが、実際はしなやかな筋肉で覆われ、引き締まった男らしい体躯だった。  なんかずるい。僕だって男なのに。 「どうした?」 「いえ、僕の体形とは大違いだなって。僕も男の色気が欲しい……なんだか男として悔しいです」 「オルビスも魅力的な身体をしているではないか。肌も透き通っていて私を誘っているようだ」 「そういうのじゃないです!」 「ははっ、では今度一緒に鍛錬をしよう」  そう言って再び口づけの雨が降ってくる。  額、目尻、頬、唇……余すところなく振る口づけに、オルビスは再び翻弄される。

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