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森に入り、さらには得体の知れないものを取り付けられたと知った両親は血相変えて、村総出で外そうと試みた。
しかし、工具で外そうと試みても、馬と繋いだ縄で引っ張ってみても、どんなに村一力に自信のある人に頼んでも、ただ痛いだけで外せやしなかった。
村の皆が途方に暮れていた頃、献上している王宮に属している者に藁にもすがる思いで相談を持ち掛けた。
魔法を持たぬ村人達よりも王宮魔法使いの方がもしかしたら、外せる方法を知っているかもしれないと思ったからだ。
だがしかし。村の人がそう思った答えとは違う答えが返ってきた。
この都市部にあるテリオス・マギア魔法学園に入学することを勧められたのだ。
元々魔法が使えぬとも、努力次第では元々持つ者と同等に扱えるようになれる学園は、将来的に主に王宮魔法使いとなり、研究や人々の生活をより豊かにするためのことなどをしたりするらしい。
そんな大それた、ただ誰にも解けない魔道具を外す方法を探すために入学したミコにとっては、場違いにも甚だしい場所で、しかも、村の人達と同様生まれ持って魔法が使えない以前に勉強という勉強も大してしてこなかったミコは、入試という大きな壁を乗り越えられないと思っていた。
だからもう、このまま一生コレは外せないまま過ごすしかないと覚悟を決めていたほどだったのに、何故か入学できてしまった。
不思議だと思いながらも、しかし入学できたとしても変わらずの無能さに落ち込む日々。
村にいた頃はしたこともなかったため息も癖のようにするようになった。
また一つため息を吐いた。
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