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7.リエヴル→ミコ キス責め

「ミコ、また飛べないの⋯⋯っ?」 ホウキを手にしたオレンジに茶色が混じった髪色の少年が、吐息混じりに訊ねてくる。 友人のリエヴルだ。 同じクラスである彼も負けず劣らずの落ちこぼれである。 そんな彼でも一応植物を操る魔法は得意なようで、成長を促したり、薬の材料を作ったりするようだが、成功は1パーセントにも満たない。 その上、唱えた魔法で蠢く植物に襲われることがしばしば。 その際、助けてと口では言うものの、頬を紅潮させ、息が乱れ、その様子はそう、飛行の授業を受けている生徒達、そして、目の前にいる友人のような──。 「リエヴルもそうでしょ」 「ん⋯⋯そう、だけど⋯⋯」 吐息混じりに言う。「⋯⋯その怒っているような口調、いい⋯⋯」 「でも、ボク、飛べない原因がもしかしたら、ミコが手伝ってくれたら解決するかも⋯⋯」 「手伝う、って⋯⋯」 「こういうこと」 すぐ後ろの壁に手をついたリエヴルがにんまりとした笑みを見せ、持っていたホウキを離した手で顎をぐいと持ち上げる。 あ、これは。 ミコ、と止める言葉を塞がれた。 あいさつ程度に交わしただけかと思った軽いキスは、次第に音をわざと立てては長く唇を留める。 くちゅり、と水を含んだような音は頭の中にまで響き、思考判断を鈍らせる。 「や⋯⋯っ」 自分がおかしくなりそうな感覚に恐怖のようなものを覚えたミコは、両手で押し退けようとしたものの、呆気なくそれぞれ壁に押さえつけられ、今度は唇を食むように口付ける。 ミコの上唇をリエヴルの唇で優しく挟んでみたり、下唇も同様に食んでくる。 そのお遊びのように思える優しいキスが次第に癖になっていき、その柔らかな感触を味わいたいと思ってしまっていた。

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