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9.
「それにしても、この副作用どうにかして欲しいものだよ。相性が合わないと毎回こうなっちゃうんだから。あ、ミコが相手してくれたら、ならなくなるかも⋯⋯」
「え、それって、ぼくがタチ⋯⋯ってことだよね?」
「うん、そう!」
「何回も言うけど、友達の頼みでもそれは難しいかな⋯⋯」
苦笑いを浮かべた。
たとえ魔道具が嵌められていなかったとしても無理な話だ。
友達としては嬉しいけど、たとえ魔力供給ための間柄とはいえ、そういう関係にはなりたくない。
とはいえども、リエヴルのように相性のいい魔力供給がいなければ最悪、落第の印を押されてしまう。
ミコのペアは一応相性がいいようだが、問題は自分の努力不足なようで、やはりそれのせいでリエヴルと同じ結末を辿ることになってしまう。
そうなると、魔道具を嵌めたまま一生を過ごすことになってしまう。
そんな人生を送るのは嫌だ。
「今日も補習行きだね。毎回やっているけど、それでどのぐらい補ってくれるのか」
手から滑り落ちるように落としたホウキを拾い上げたリエヴルはため息を吐いた。
「ペアの人も一緒にやらなくちゃならないことだから、さすがに迷惑そうにしているし」
「うん⋯⋯確かに⋯⋯」
「でもそうしないと連帯責任で、揃って成績悪くされるから仕方なくヤッてくれるけど」
「リエヴル⋯⋯」
右の親指と人差し指で丸い形を作り、ホウキを持っている左の人差し指を輪っかにした形に入れる動作をした。
最初の頃はそのようなことをされてもさっぱり分からなかったが、リエヴルに教えられてしまったせいで、今はすぐに非難な目を向けた。
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