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10.
「やっぱその目もとてもイイ⋯⋯。ボクのこと犯してぇ⋯⋯」
「リエヴル」
魔力供給による副作用のせいで欲情してしまうのは嘘なのではと思うリエヴルの性的好奇心は、毎度ながらに呆れてしまう。
「ミスターアラタスっ、ミスターアネルヴっ! 喋ってないでホウキに跨りなさいっ!」
遠くから腰に手を当てて声を上げている先生の姿があった。
ミコとリエヴルは顔を見合わせた。
「怒られちゃった」
「いいから跨がろう」
壁に立て掛けていたホウキを手にすると、柄に付いているディルドに挿れるフリをして跨った。
そんなことをしても自分自身の魔力は飛べるはずもないが。
とはいえ、隣で簡単に挿れても、ただ気持ち良さげにお尻を振るだけで一向に飛べない友人がいるわけだが。
その様子にミコは苦笑を漏らした。
当然、ミコとリエヴルは補習となった。
放課後、夕暮れに染まる教室で、部活や寮へとそれぞれ向かうクラスメート達を尻目にミコの席にやってきたリエヴルが、「行こうか」と声を掛けてきた。
二人並んで廊下に出て、補習室である教室の扉の前にそれぞれ立つ。
扉の上の札には、ミコの方は『補習1』リエヴルの方は『補習2』とあった。
そしてその扉には赤い文字で『使用中』という札が下がっていた。
この中にそれぞれのペアが先に来て待機しているのだろう。
ミコ達もそうだが、先生に場所を告げられているはずだから。
同じクラスではあるが、先に来ているのはさっさと終わらせたいということだ。
この扉を開けるのが憂鬱に感じる。
「ミコ、また後でね」
装飾されたドアノブを握りしめる手が震え、開けるのに躊躇しているミコとは対照的に、リエヴルは余裕そうにこちらに手を振ってはスキップしそうな足取りで入って行った。
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