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二言目にはえっちなことばかりを言って反応に困る友人だが、この時ばかりはその性の奔放さに羨ましいと思っていた。
友人が入っていくのを見届けてから、ミコはドアノブを見つめ、そして重たいため息を吐いた。
入るのを躊躇っていくうちに入る気がなくなっていくのも良くないし、それよりもペアの人に迷惑を掛けてしまう。
特にミコのペアは怒るに違いない。
いや、そうでなくとも常に成績の悪いミコのことを怒っているようだが。
ぐっと握り直したミコは震える手で捻った。
開かれた部屋の中、ミコの目の前に広がるのは、鮮やかな色合いの踏み心地の良い絨毯。 ミコの腰よりも高いテーブルに、右手には天蓋付きの質の良いベッドが設えてあった。
寮にも同等の物が置かれているが、いかんせんさほど裕福ではない田舎育ちであるミコにとってはまだ見慣れぬもので、緊張して眠れない日の方が多い。
そんな緊張感漂う家具を置いても余裕のある部屋の奥の窓側に黒髪の青年が立っていた。
彼の放つ近寄り難いオーラに一歩引きそうになった足を絨毯に沈める。
彼の名前は、フリグス・ルーグロリア。
ミコ達と同じクラスであり、そしてミコに魔力供給してくれる肉体的ペアである。
落ちこぼれの指導をしてくれということでペアとなったわけだが、扱いが酷い。
初めて関係を持った時なんて、この部屋で二人きりになった途端、ベッドに突き飛ばすように押し倒され、ミコからすれば急なことに頭の理解が追いつかずに混乱を極めている中、乱暴に服を脱がされ、雑なキスまでもしてきた。
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