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28.
「あ、けど、次の授業、リエヴルと班が同じだったら、貸してあげられるかも」
「ほんとー? そうだったら嬉しい! 貸してくれたお礼にミコの可愛いおちんちん舐めてあげるね?」
「お礼は別にいらないかな⋯⋯」
また言ってると、適当に流したミコは「呑気にしている場合じゃないよね。早く行こう」と立ち上がって促した。
「今日の調合、何を作るんだろうね」
廊下へと出た時、リエヴルに投げかける。
「媚薬だったら嬉しいんだけど!」
「ぼくは、もっと一般的に役に立つものがいいかな」
「風邪薬とか傷薬とか塗り薬とか、一般的で多くの人に役に立つと思うけど、少数でも役に立つ時だってあるんだよ」
「世の中にはリエヴルみたいな人がいるかもしれないけど」
性に関する探求心はなかなかなものだと、こうなるとかえって感心する。
「そこまで興味持てるなんてすごいよ」
「ミコも今は嫌だって言ってるけど、そのうちものすごく興味持てるよ。っていうか、少し興味持ってきてるじゃん!」
「え、そんなことあった?」
「フリグスとえっちしたいほど──もがっ」
「何言ってるのかな!」
もうすぐ調合室という前で慌てて口を塞いだ。
今は休み時間だ。だから、廊下には自分達の他に、クラスメートや他の学年も行き来している。
リエヴルが息するようにいやらしいことを言うからか、ミコが騒いだからか、周りの視線が一斉に浴びた。
そんな中、リエヴルが手を叩いてくる。
その鬱陶しさで力を緩めた。
「ミコが騒ぐから皆から見られているよ」
「それはリエヴルのせいだって!」
「そんな恥ずかしいことじゃないって。皆誰かしらの後ろを狙っているし、突っ込み待ちなんだから」
まるでミコがおかしいという言い方をした。
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