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34.※

今すぐにでも掻きたいが、両手が拘束され、痒いところに手が届かない。 唯一自由である足でさえも、足を擦り合わせてみたが、かえって痒さが増すばかりでどうにもならなく、その解消されない焦れったさにじわっと涙が溢れる。 「は⋯⋯っ、あっ⋯⋯あぁ⋯⋯」 手をそれぞれ拘束されているリエヴルが同じく晒されたモノをぱっくりと咥えられ、人間で言うところの嚥下しているようで、触手が何かを取り込んでいるようだった。 何しても逃れられない痒みに恐怖にも似た感情を抱いているミコに対し、そのようなことをされても頬を染め、たまらないといった息を乱し、悦に入っている様子のリエヴルに、少々羨ましいと思った。 この痒みが解消されないのなら、せめてリエヴルのようにこの状況を愉しめたらいいのに。 何したって無駄ではあるのに、痒くて痒くて仕方なく、擦り寄せるミコの縮まったモノに再び触手が迫る。 「我らを支える大地よ、培い、力強い形となれ!」 ベンゲルの太くて勇ましい声が響いた。 その瞬間、ミコ達の目の前に茶色い塊が形成された。 砂の塊のような四角い人の形をしたそれは、確か、ゴーレムと呼ばれるもので、空洞のように大きな目が迫ってくる。 思わず身を竦めたミコにまとわりつく触手に、茶色く四角い手をかけた。 引き離そうと引っ張っているようだがびくともせず、獲物を盗られまいとさらに絞めてくる。 「あ⋯⋯っ、い⋯⋯っ、ふ⋯⋯はぁ」 ゴーレムのことは大して相手にしてないようで、どさくさに紛れて、先程邪魔が入って狙えなかったミコのモノを吸い上げていた。 ごくごくと喉を動かしているような動作をする触手の傍ら、身体からどんどん力が抜けていく感覚に苛まれる。

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