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全ての授業が終わり、ほっとひと息が吐ける寮へと帰ってきた。 「今日は災難だったね⋯⋯」 「そうでもあったし、刺激的だった!」 声を弾ませて言う友人に、「本当、楽しそうだよね」と返した。 「災難といえば、ミコ自身も災難だったよね」 「あ、ま、まぁ⋯⋯」 リエヴルが言いたいのは、改めて課題の材料探しに行こうとした時のことだろう。 毒素を吸い出すという名目のリエヴルに吸い上げられても、結局痒みがぶり返し、立つことも辛くなったミコをリエヴルは肩を貸してくれて、そのまま保健室に連れて行ってくれた。 保健の先生は、入学時の事前調査で申告してあるし、身体測定の時の項目に陰茎に異常がないかと見られているため多少耐性はある。とはいえ、抵抗の方が大きい。 というのも、昔のことを思い出してしまうからだ。 ミコがもじもじとし、なかなか言えずにいると、調合の先生の時と同じようにはっきりと恥部に植物に何か入れられ、痒くて、掻きむしったせいで腫れ上がったことをリエヴルが代わりに言った。 調合の先生の時も思ったが、言ってくれてありがたいが、もう少し言い方があるだろうに。 保健の先生に促されるがままベッドに横になり、ためらいがちにズボンを下ろした。 その際、リエヴルは仕切ったカーテンの外側で待ってもらった。 当たり前に先生と一緒に入って来ようとしたものだから、帰ってもらっても良かったのだが、「心配だから」と言ったから、それ以上は言えず、仕方なしといった具合だ。

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