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『腫れているねぇ、しかも、血が滲んでいるところもある。相当痒かったんだね』
『はい⋯⋯』
『表面は軟膏を塗ればいいかもしれないけど、問題は痒みの原因だねぇ』
医療用手袋を着けた手で、そっと触りつつ観察していた。
ミコのことを気遣ってくれているのは伝わる。しかし、自身が無意識ながらも掻きむしった代償は大きく、裏筋辺りを見ようとして指先で上向きにした時、じーんと鈍い痛みを感じ、顔を歪ませた。
『あ、ごめんね。痛かったよね』
『いえ、大丈夫、です⋯⋯』
困ったような笑いを見せると、「ごめんごめん」と慰めるように頭を撫でてくる。
それでもすぐに緊張が解けず、いつの間にか身体を硬直しているミコのモノに「ひとまず腫れているところに薬を塗っていくよ」と言い、ポケットから軟膏を取り出し、指で掬った薬を先程と同じようになるべく優しい手つきでゆっくりと塗っていった。
人肌程度の温い薬が患部に触れられた途端、ぴくりっと小刻みに感じてしまっていた。
仕方ない。最も敏感な部分であり、さらには腫れているのだから、普段よりも敏感になっているのかもしれない。
粟立つような感覚に包まれたのも少しのこと。制御すべきだと言われているように、怒り立つ痛みが湧き上がってきたのだ。
『あ"⋯⋯ッ、いた⋯⋯ぁ!』
その手から逃れようと身を捩り、シーツを掴む。
『あぁ⋯⋯なるべく優しくしたつもりだったけど、痛かったねぇ』
『も、もう⋯⋯いや⋯⋯っ』
『今、塗って少し鎮まったのならいいのだけど、中に何かを入れられたんじゃなかったっけ?』
『でも、痛いんです』
『ボクのちんちんでも噛んでるっ?』
シャッとカーテンを勢いよく引いたリエヴルが嬉々として言ってくる。
もう出している下半身は、半勃ちしていた。
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