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『また、何を言って⋯⋯』 『噛むのは二次被害にもなるし、命の危機にも繋がるから止めようねぇ』 『その痛みで快感を得て、どさくさにミコに精液を──』 『アネルヴ君。代わりにアラタス君の手を握っておいてくれるかな』 『え、手を?』 「あと、ズボンは履いてね」と言う言葉は聞いてないらしい、頭の上に疑問符を浮かべながらも、リエヴルは手を握った。 リエヴルに握られた時、すっと身体の緊張が和らいだ気がした。 先生はそれが分かっていて、リエヴルにそうするように言ったのだろうか。 『中に入れられたってことは、尿道のところだね?』 『はい、ボクが毒素を吸い上げたと思ったのですけど、まだ痒かったみたいです』 リエヴルが代わりに返事をする。 『ちなみに植物って、なんて名前?』 『スティヴェーレ⋯⋯って、言ってたかと』 『はぁ⋯⋯スティヴェーレか⋯⋯』 呟いた先生は椅子から立ち上がり、どこかに行ってしまった。 どうしたのだろうと顔を見合わせていると、ものの数秒で帰ってきた。 その手には細い器具を持って。 それを見た途端、ミコはビクッと身体を震わせ、リエヴルはというと「それは何ですか?」と訊ねた。 『ああ、これは尿道に挿入するための魔法器具だよ。これを挿入()れる時、ちょおっと痛いかもしれないけど、痒みが治まるかもしれないから頑張ってね』 『む、むり⋯⋯です⋯⋯』 ふるふると首を振る。 涙目になるミコの傍ら、リエヴルの方は「いいなぁ、ボクの方に挿入()れて欲しい」と物欲しそうな目で見ていた。 『さ、アラタス君。仰向けで足を開脚させて、患部を先生に見せて』 『⋯⋯』 迷いながらも先生の言う通りにする。 その分、繋ぐ手は強く、震わせていた。 先生は指でミコの震えているモノを真っ直ぐに少し上向きにさせ、尿道口に器具を宛てがう。

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