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46.
放課後の時、約束通りルイス先生から返された杖を早速また使えなくさせようと思い至ったわけで、非があると思ったリエヴルはすぐに謝ってきた。
しかし、反省しているようには見えなかった。
「けど、ミコ。もし人の杖を折ったら、弁償な上におしりペンペンに加えて、折った杖をお尻の穴に突っ込まれる罰を受けるんだよ。いいの?」
「え、何その罰。初めて聞いたんだけど」
「ボクは受けてみたいな。ミコ、杖を新調したいと思わない?」
「故意に折る目的以外なら貸すから」
「突っ込んでもいいんだ?」
「それも以外で!」
本当の罰は、次の朝までに反省文百枚だ。
そんな子どものお仕置きのようで、拷問にも似たような罰、そうだったりしたら何があっても受けたくない。
「そういえば洗剤はいいの?」
「このマントにそれで洗っていいのか分からないし、匂いが気に入らないってそれでまた怒られるのも嫌だし、水洗いでいいかなと」
「ま、そこまで手を加えなくてもいいか。洗ったことをありがたく思え、てね」
「そんなこと⋯⋯」
そこまで偉そうなことをしてない。
むしろ、貸してしまうほど迷惑をかけて申し訳なく思っているマントを丁寧に洗うことを心がけた。
「ミコが丹精込めて洗った愛、伝わるといいね」
「だから愛は余計だって。邪魔するならどっかに行ってよ」
「あーはいはい。おじゃま虫はどっかに行ってまーす」
立ち上がったリエヴルは、「日が暮れるまでに帰ってきてね」と言い残して素直に立ち去った。
どこか楽しんでいる様子の友人に「何なんだろう、本当」と後ろ姿を見ながらため息を吐いた。
それよりも、と気を取り直したミコは、ある程度洗い、さっきよりかは綺麗になったであろうマントを出来る限り絞り、木で作られた物干し台に干しておいた。
「ふぅ⋯⋯これで大丈夫かな」
額を手の甲で拭い、マントを少し見上げた後、桶を脇に抱えて寮へと戻っていった。
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