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47.
一晩干しておいたものの、きちんと乾いている様子ではなかったため、次の日が天気が良さげだったのもあり、そのまま干しておいた。
帰りのHRが終わりを告げたのと同時に、誰よりも早く教室を出た。
リエヴルが何かを言ってきたような気がするが、耳を貸す暇もなく、足早と寮の庭へと赴いた。
午後からは風が吹いていて、その頬を撫でるような心地良さに目を細めつつ、軽く揺れるマントに手を触れた。
うん、湿っている様子はない。乾ききっている。
いい仕上がりに満足気な笑顔を浮かべたミコは、早くフリグスに渡そうといそいそと取り込んだ。
ぽとっと、軽い物が落ちる音が間近に聞こえた。
雨が急に降ってきたのだろうかと、頭上を見上げた。
「あっ!」と自分でもびっくりするぐらいの大きな声を上げた。
それもそのはず。黒いマントに白いものが付着していたからだ。しかも、広範囲に。
これは、鳥のフンだろう。
「なんで、こんなタイミングで⋯⋯」
すっかり乾いて、今すぐにでも渡しに行ける状態であったのに、ちょっとした出来事で全て台無しにされた。
気が遠くなるような、目眩がするようなそんな感覚に陥る。
「ミコー? そこで固まって何してるの?」
ミコの後を追いかけてきたらしい。リエヴルがやってきた。
「リエヴル⋯⋯これは夢だよね⋯⋯」
「え、何、急にどうしたの。そんな半ベソで⋯⋯」
さすがにミコがそんな様子でいたものだから、ただ事ではないと思い、焦りを見せるリエヴルに「これ⋯⋯」と汚れた箇所を見せた。
「これ、何? もしかして、鳥のフン?」
「うん、そう」
「あぁ、なるほど、ね⋯⋯」
ミコが泣きそうな顔をしていること、そのマントの状態で全てを察したリエヴルは、「言いにくいことだけど」と前置きをした。
「夢だと思いたいのは充分に分かるけど、現実だと思わざるを得ない、というか⋯⋯」
「⋯⋯⋯⋯」
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