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ミコはそこでようやく緊張が解け、深いため息を吐いた。
「いい感じじゃない!?」
「良かったぁ⋯⋯」
「これでまた干しておこうか」
「うん⋯⋯」
干して、またやられたらどうしようという不安がよぎった。
もしまたやられて、洗って干してなんてことを繰り返しているうちに、フリグスに返す機会を逃してしまうことになるかもしれない。
そうしているうちにまたフリグスの怒りを買うなんてことも。
「もしかして、また外に干して置くのが心配?」
「うん⋯⋯。またやられたら洗って干さないといけないし⋯⋯」
「まぁ、確かにそうだよね。すぐに乾くってわけじゃないし。魔法でならすぐに乾かせるかと思うけど、どっちにしたってボク達じゃ、余計に酷いことになるかもしれないし⋯⋯」
うーん、とリエヴルは眉を寄せて唸っていた。
ミコは瞬く。
いつも下世話な話しか口にしない友人が、ミコが困っていることを親身に聞いてくれている上に、解決策はないかと一生懸命考えてくれている。
珍しいこともあるんだなと思うのと同時に、まともな部分もあるんだと関心した。
「うん、やっぱりそれで自慰行為をしよ!」
前言撤回。やはり、いつものリエヴルだった。
「リエヴル。ぼくは本当に困っているんだけど」
「ごめんごめん、違うって。場を和ませる冗談だって」
「本当かなぁ」
「本当だって。外に干しておくんじゃなくて、部屋に干そうっていうとてもいいことを考えたんだから!」
「⋯⋯リエヴル、それいいね」
「でしょ!」
えっへん! と腰に手を当てて、得意げな顔をするリエヴルに「早速やろ」と言った。
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