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「え⋯⋯っと、それでぼくがマントを羽織っておいた方がいいって、どういうこと⋯⋯?」 「あの時の食溶植物の件があっただろう。あれはもしかしたら、意図的に仕組まれたものかもしれない」 「何のために⋯⋯?」 「お前のことを好き好んで狙っている奴がいるということだ」 ミコのことを狙って、植物を操ってあわれもない姿にしたというのか。 当惑していたミコであったが、ふとある疑問が浮かんだ。 「でも⋯⋯リエヴルも酷い目に遭っていたよね。リエヴルも危ないんじゃ⋯⋯」 「カモフラージュのようなことをしていたかもしれないな。それか、欲目にくらんで襲ったかもな。というより、奴が危ない目に遭ったとは思えんだが」 確かに、あの状況を愉しんでいた。 「で、でも! あの植物は捕らえた獲物を溶かすんでしょ? リエヴルは悦んでいたけど、命の危険はあったよね」 「世の中には常識では考えられない変態がいるものだ。オレには理解しがたいものではあるがな」 変態は、意図的に襲わせた相手とは違うタイプのリエヴルも当てはまってしまうが、遠回しに言っているのだろうと思われる。 「奴のことはともかく、お前は自分のことを心配した方がいい。もしかしたら、その変態はお前のその魔道具を嵌めた張本人かもしれないぞ」 ミコの足の間のを指差した。 目を開いた。 「え、本当に⋯⋯?」 「可能性はゼロではない。だから、マーキングと挑発を込めて、あのマントを渡した」 フリグスの話を最後まで聞く余裕がなかった。 うろ覚えだが、あの森に住んでいるようだから、まさかこの学園にいるという考えはなかった。 確かにあの魔法使いの顔を一度たりとも見たことがない。だから、何食わぬ顔をして学園に潜んでいる可能性はゼロではない。 けれども、そうだとしたら、ミコがこの学園に在学しているだなんてどこで知ったのだろう。 そのことを知っているのは、ミコのことを知っている身近な人物だと言えるが⋯⋯。

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