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「この魔道具を嵌めた人物以外って可能性もあるんだよね」 「その可能性もなきしもあらずだな」 「ぼくがみっともない格好をしていたから、渡したのかと思ってたから、狙われているだなんて考えてなかった」 「お前はもう少し、己の無垢なところを自覚した方がいい」 「え、無垢⋯⋯?」 ミコはきょとんとした。 口にした瞬間、フリグスはハッとしたような顔をし、「お前がそう思うのなら、そうかもしれないな」と言葉を言い直した。 首を傾げた。 何か変なことを言っただろうか。 「とにかく、念の為、マーキングをしておくか」 「マーキング? マントを羽織っていればいい話じゃなかったの?」 「念には念を入れておいた方がいい話だ。⋯⋯スナップボタンを全部外して、尻をこっちに向けて、自分で弄ってみろ」 「え、ここでするの? 汚しちゃうと思うけど⋯⋯」 自分達の寮の部屋の調度品よりも高そうなソファを、手すら届かない庶民のミコが汚して、弁償するわけにはいかない。 だが、フリグスは何言ってんだという顔をした。 「お前、いつもの性交で汚したことがあるのか?」 「ない、と思うけど⋯⋯」 「ないだろう。だったら、いらぬ心配をするよりもオレが言った通りのことをさっさとしろ」 捲し立てられるように言われ、ビクッと肩を震わせたミコは、臀部をフリグスの方に向け、ボタンを外した。 はらり、と露わになった臀部の萎みに人差し指を恐る恐るといった手つきで()れる。 少し弄っただけで柔らかくなったソコは、毎日のようにフリグスによって解されているため、ミコがやらずとも十二分だった。

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