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61.※前戯

「確かにオレの手を煩わせることを今からさせようとしているな。さっき補習で言ったことをもう忘れたのか? 痛くならない方法を模索しろと。何故、お前は行動を移さない」 「ご、ごめんなさい⋯⋯」 「⋯⋯しょうがない。今回だけだからな。さっさとやれ」 「もうかけたの⋯⋯?」 「この程度の魔法、話している間でもできる。だからお前も話すよりも手を動かせ」 「あ、はいっ」 慌てて先程の体勢となり、萎みに指を()れる。 その際に「⋯⋯ちょっとした手間だ」という独り言が聞こえたような気がしたが、気のせいだろう。 それよりもこっちに集中しないと。 緊張で身体を強ばらせながらも、ゆっくりと指を沈めていく。 「⋯⋯あ⋯⋯っ、⋯ぅ⋯⋯」 上擦った声が漏れ、背筋が震える。 指を出し入れしながら、ナカを拡げるように肉壁を解した。 こうしているとそのうち、根元の痛みを感じてくるのだが、感覚が麻痺しているようで痛くならない。 本当に喋っている間に魔法をかけたんだと分かった。 「気持ちいいのか?」 「あ、うん⋯⋯っ」 「だから言っただろう。その感覚をオレに頼らずにやってみろ」 「う、ん⋯⋯んっ⋯⋯」 自身のを誤魔化して気持ちよくなることしか知らないのだけど、と言いかけそうになりながらも漏らすため息のようなものでぐっと堪えた。 出入口付近が柔らかくなっただろうと思ったミコは、その奥へと指を進めた。 しかし、ミコの指では根元まで挿れても、いや、体勢のせいもあるかもしれない。ナカで一番気持ちいいところに届かない。 もどかしい。 「一本だけじゃ物足りないだろ。せめてもう一本挿れろ」 「ま⋯っ、あ、ぅ⋯⋯っ」 一本、ミコの指をフリグスによって挿れられた。

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