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62.※
急かさなくていいのに。こっちの都合でやらせて欲しいのに。
自分で解せって言っていたクセに、すぐに痺れを切らしてしまったのだろうか。それとも、ミコにああ言っていて、実はフリグスの方が性交 たくて、急かしているのか。
「あ、あの⋯⋯」
「なんだ」
「フリグスの方が⋯⋯えっ、ち⋯シた⋯⋯あ⋯ぁ⋯⋯っ!」
ミコの指ではない指が割り込んでいき、届かなかった箇所を押された。
「やっ、や、め⋯⋯っ」
「何をふざけたことを言っている。愚かな術者に対するマーキングだろう」
「あ、あっ、あ⋯、おさな⋯⋯んッ」
何のためにマーキングをするのか分からない。が、それを建前にただフリグスが憂さ晴らしのように突っ込みたいんじゃないのか。
しかし、怒りをぶつけるように気持ちいいところを潰されるのではないかと思うぐらいに押されているせいで、疑問は嬌声へと変わってしまい、訊けずじまいだった。
「そんなことを余裕で聞ける生意気な口は、これでも咥えてろ」
フリグスは指を引き抜いた際、巻き込む形でミコの指ごと抜かれた。
痺れるほどの快感に身を委ねてしまっていたミコは、急にそのようなことをしてきて、ふっと力が抜けてしまっていた。
そのようなことを気にもせず、ミコの顎を掴んだフリグスは寛げさせていたやや垂れ下がっている己を、息を整えようとするミコの口に含ませた。
後頭部を掴まれ、無理やり喉奥へと突っ込まれると思い、ぎゅっと目を閉じて身構えていたミコであったが、いくらまでど先だけしか挿 れてこなく、ミコはほんの少しだけ力を抜いた。
とはいえ、静観しているのも怖い。
余計なことを言わなければ良かった。
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