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63.※フェラ(攻め指南)

己の言動を恥じたミコは、目の前のことをやり遂げようと努めた。 震える手を悟られないよう、これ以上怒らせませんようにと祈るように胸の前で手を合わせたミコは、舌先で先端部を子猫がミルクを飲むようにちろちろと舐めた。 一日中、服の中にあったソレはむわっとした熱気と汗ばんだしょっぱさに加え、口にするのを躊躇うようなつんとした刺激臭を味覚で味わってしまった。 それが何なのか、舐めている箇所ではっきりと分かってしまうソレを分からない、と自分のことを騙し、されとて躊躇いがちに舐めた。 ぐぐっとさっきよりも反応を見せるが、半分も満たない。 こんな状態では、フリグスは全く満足しないだろう。 「おい。いつまでも先を舐めているだけじゃ、いつまで経ってもお前の中に挿入()れられないだろ」 ぎゅっと目を閉じてしまいたくなるような恐怖。 やっぱり言われた。早くしないと。 ドッドッと早く鳴る鼓動と同じぐらいの速さでぺろぺろと舐めた。 「⋯⋯違う。先だけじゃなく、裏筋や竿を舐めたり、手で動かしたりして勃たせるんだ」 自身のを指差して場所を教えたり、不意に手を取られ、握らされた。 手を触れられた際、自分でも分かってしまうぐらいに止まらない、さらに大きく震わせていたが、フリグスは些細なことと気にしない振りでもしてくれたのか、そのようなことをいちいち指摘するのも時間の無駄だと思ったのか、それよりもとにかく、言われた通りのことをしなくては。 「んっ、ん⋯⋯」 まずは裏筋と先と同じように舐めてみせた。 「⋯⋯っ、そのやり方でもいいが、舌全体で使ってみろ」 「ん⋯⋯っ」 小さく頷いたミコは、舌全体で吐息を混じえながら、先端に近い部分を舐めた。 「そうしながら、こっちを見てみろ」 見る⋯⋯? そうする意味が分からない、というよりも見るのが怖い。けれども。

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