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73.
「何恥らっているんだ。散々突っ込んで喘いでいるクセに」
「そうなんだけど、何だか⋯⋯」
「⋯⋯チッ、めんどうなやつだ」
「⋯⋯あっ」
痺れを切らしたフリグスがむんずと布団をひっぺ返した。
下は足の付け根程度まで隠れはしているが、ちょっとしたことで見えてしまう。
咄嗟に足を閉じた。
「足を開け」
「⋯⋯⋯」
「⋯⋯煩わしいな」
「や⋯⋯っ」
短い悲鳴も虚しく、フリグスの抵抗できない手によって足を開かれてしまった。
「⋯⋯気のせいか⋯⋯?」
眉を寄せ、独り言を呟く。
何があったのかと訊く前に「気のせいか」と自己完結したように言った。
「オレの魔法が効かないはずがない。あとお前、性交の副作用がなさそうだな。今までよりも魔力を注いでやったのにも関わらず」
「⋯⋯あ、そういえば⋯⋯」
──相性がいいってことだね。
リエヴルの言葉が過ぎる。
途端、どくんっと鼓動が高鳴る。
相性がいいってことは⋯⋯す、す⋯⋯。
──好きなんだね〜。
「なんだ、急に赤くなって。熱か?」
「好きってわけじゃないです!決して!!」
「は? お前、何言ってんだ」
硬直した。
しまった。自ら墓穴を掘ってしまった。
「何でもない! 何でもないです! 熱を出しておかしなことを言いました! 寝ます!」
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