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74.
ひっぺ返された布団を掴み、頭ごと被り、そのまま横になった。
今のだって変なごまかし方だ。また恥ずかしいことをしてしまった。
自身の行ないに顔から火が吹きそうなほど熱く感じ、飛び出そうなほどにばくばくする心臓の音を聞いている時、ため息を吐いたような声が聞こえてきた。
それから間もなく、その主がミコから離れていく気配を感じた。
布の擦れる音が遠ざかっていき、それがガチャ、ガチャリと扉の開け閉めのような音が聞こえた。
少しした後、布団の外が静かに感じた頃、小さく息を吐いた。
が、まだ心音が静かにならない。
「あ〜、なんであんなことを言っちゃったんだろう⋯⋯」
布団の中でじたばたとのたうち回る。
リエヴルがあんなことを言ったからだろう。
意識してしまう。
いや、ミコが思い出してしまったからなのか。
元々の思い出した要因のフリグスが副作用の話をしたからか。
でも、好きってなんだろう。
フリグスに怒られてばかりだし、足引っ張っているし、さっきの行為だって優しさの欠片もない。
無理やりな行為をされて、好きと思ってしまっているのなら、リエヴルと同じではないか。
身体の相性がいいってだけで好きになるの⋯⋯?
分からない⋯⋯。
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