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「わ⋯⋯っ! ミコの目の下、ものすっごいクマ! どうしたの? てか、昨日の夜帰って来なかったけど、何?! フリグスと一夜を共にしたの!?」
「⋯⋯リエヴル、好きって何なの」
「え、ミコ。もしかして、好きになったの?」
「好きって何」
結局一睡もできず、フリグスのいる寮からふらふらとした足取りで自身の部屋に帰ってきたミコは、起きたばかりのリエヴルを見かけるなり問い詰めた。
「ミコ、一晩でフリグスに魅了されちゃったの? そんなにも激しかったの? あんな奴にミコが取られるのはとても悔しいけど、身体の相性が良かったからね。抱かれて嬉しいと思うの、幸せだよねぇ」
昨日のフリグスの言葉を思い出してしまう。
今までよりも副作用があまりないのは、前よりも相性がいいということ。
それより前は、リエヴルのように求めてくるほどの性欲はないが、立つこともままならないぐらいに快感に浸っていたのにも関わらず。
フリグスがいる部屋にいた時、寝室から出てすぐの部屋に先に起きていたようで、ソファに座っていたフリグスと目が合った時、「具合はいいのか」と訊ねられた。
気にしてくれているんだと一瞬思ったが、目が合ったからただ言ったのだろうと思いつつ、「ちょっとまだ重い感じがするけど、大丈夫そう」と答えた。
すると、「そう」と短く答え、興味がなくしたかのように目を背けた。
やはりただ訊いただけかと思ったミコは、「⋯⋯失礼しました」と一応言って、出てきたのだ。
「⋯⋯身体の相性がいいってだけで、好きになれるの?」
「それはもちろん! 天に昇るような気持ちよさはミコも分かるでしょ? それを味わせてくれる人がいたら、すぐに好きになっちゃうよ! 特にボクはなかなか相性が合う人がいないし、ベンゲルもそう! 下手くそかと思うぐらいだし、全然気持ちよくならないんだよ。そのクセ、頭が悪いだのなんだの言ってきて、何様って思うよ。あーあ、ボクも性の悦びを味わいたいよ」
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