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陽光に照らされる教室。 その教室内では、小鳥ですら思わず立ち止まってしまうほどの低く艶やかで、心地よい声が響く。 教科書の文を追っているよりも音読しているルイス先生の姿をついつい見てしまう。 教科書を片手で持ち、目線を落とした際に見られる金色に縁取られたまつ毛は長く、その向ける瞳は最愛の人に向けるような慈しみのあるもので、そんな目で見て欲しいとさえ思ってしまう。 もう片手は教壇に指先を揃えて添えており、その部分だけでも気品さに溢れ、そして、どこか艶めかしく思えるのは、晒した肌にそっと触れているように幻視したからだろうか。 どこを切り取っても絵になる風貌にうっとりとしていた。 例に漏れず、ルイス先生が担当する文学の授業も補習対象だ。だが、この授業の補習はどの補習よりも心を踊らせるぐらいに嬉しいものだった。 HRや授業以外でも先生に会える機会が増えるのだ。嬉しいこの上ない。 願うならば、座学以外で先生と接したい。そう、それはつまり⋯⋯。 「抱かれたいな⋯⋯」 「抱かれたい? それは主人公の心情を読み取ったのかな?」 心臓が飛び出そうなぐらい驚いたミコはすぐさま顔を上げた。 すると、教壇にいたはずの先生がミコの席の横に立っていたのだ。 間近にいるだけでも心臓に悪いのに、柔和な笑みを向けられた暁には昇天してしまう。 「は、はへっ! ぼく、何か口にしてしまいましたかっ!」 「抱かれたいって言っていたから、てっきり主人公の気持ちを読み取ったのかと思ったよ。違うのかな」 小首を傾げて訊いてくる先生に、「あ、え⋯⋯ぇ」としどろもどろになっていた。 はい、そうですと言ってしまえばそれまでなのに、今のミコは口走ってしまったこと、それが先生にそうされたいという願望だということに加え、爽やかな笑顔に子どもみたいに首を傾げるというそのギャップに、ぷしゅーと沸騰したように顔が真っ赤になった。

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