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92.※

ズズッとゆっくりと奥へと入り込んできたソレは突如として激しく動き出す。 「あ" あ" っ! いだ⋯⋯っ! いったぃ! いた⋯⋯っ!」 その大きなモノは慣れていて、それに自分のナカに挿入()れてくれて嬉しいはずなのに、今は大きな石を無理やり詰め込まれたかのように痛くてたまらない。 ぽろぽろと涙が溢れ、ぎゅうっとシーツを掴んだ。 「何痛がっているんだ。魔法をかけてやったっていうのに」 「うそ⋯ぜったい、うそ⋯⋯あ"ぁっ!」 繋がったまま身体をひっくり返され、その時ごりごりと一番感じやすいところが当たったが、悲鳴を上げるほど痛んだ。 再び仰向けにさせられたミコはぐっしょりと汗をかき、肩で息をしていた。 意識が飛びそう⋯⋯。 「⋯⋯気のせいかと思ったが、気のせいではなかったんだな⋯⋯」 独り言を呟いていた。 どうやらミコの足の間のを見ているようだった。 あの夜も足の間のを見た時、気のせいとのなんだのと呟いていた。 恐らく魔道具のことだろうが、今のミコにはそのことに関してあれこれ考えている余裕がなかった。 「な⋯⋯に、な⋯⋯あ⋯ああ⋯⋯っ!」 息が整ってない最中、フリグスが腰を動かした。何かを確かめるようにゆっくりとした動作だったが、ミコからすれば歯を食いしばるほどの激痛だった。 「何なんだ、これは」 「⋯⋯もう、やだ⋯⋯」 ぐす、とすすり泣く。 「なんで、痛いって言っているのに、こういうことするの⋯⋯。補習でもなんでもない、のに⋯⋯こういうことは面倒だって言っていたクセに、なんでやるの⋯⋯!」 「それは⋯⋯」 ミコ自身でも驚くぐらいの怒りを混じえた涙声。 フリグスもまた珍しく狼狽えているようだった。 が、視界が滲んで何も見えない。涙が溢れて止まらない。けれどもこの際どうでもいい。

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