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背中に羽が生えているんじゃないかと思うぐらい軽やかで、鼓動が高鳴り、頬が緩んでしまうぐらいちょっとのことでも幸せだと思っていた毎日が、足に重りを付けた枷に繋がれているように足取りが重く、心臓に針が刺されたかのようにズキズキと痛み、教室に行くのが億劫になっていた。 何よりもペアでやる授業が嫌でたまらなかった。 ところが、目を逸らし、気まずそうにしているミコに対し、フリグスは何もなかったかのように振る舞い、今までと変わらずの態度で接してくる。 自分だけがそんな態度をしているのがバカみたいだ、と思うぐらいだった。 だが魔力供給をしてもらわないと合格にならない補習の時、補習室に現れなかった。 彼の姿を見なくて良かった、と思うよりも不安と焦りが募る。 ミコがせめて補習で補填しないと、フリグスもろとも落第してしまう。 それはフリグスにとっても避けたいものだったはずなのに、やはりどこか顔を合わせにくいと思っているのか。 それにしても、どうしよう。 ミコなんかに相手をしてくれる人なんているとは到底思えない。 人気が少なくなっていく中庭で一人ベンチに座り、ため息を吐く。 いつも通り補習室に向かうリエヴルは去り際、心配そうな眼差しで見ていた。 それもそうだろう。あの日、酷く目を腫らした顔で帰ってきて以来、見るからに段々と元気を無くしていく友人を真横で見てきたのだから、心配するに決まっている。 それにフリグスの名前を口にした瞬間に鋭い口調で遮ったから、そのペアと何かあったことは明白だと察しがつく。 だから前よりも特にフリグスに対して、敵意を剥き出しにしている。

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