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「ゲファール君といるのは珍しいね。キスもしようとしていたし、もしかしてペアを代える気なのかな」 担任であるルイス先生には言っていなかったが、そう捉えるのは自然なことだ。 だから、誤魔化すことなく素直に答えた。 「⋯⋯ちょっと今のペアの人とは上手くいかないことがあって。なので、ゲファール君にしようかな、と」 「そう。でも基本的に二人で一組だからね。ゲファール君のペアの子はどうするのかな」 「あー⋯⋯あいつは、元からオレとは相性が良くなかったみたいなんで、この機に代えようかと」 「でも、ぼくと合わないかもしれないから、おためしという形で⋯⋯」 「おい、アイツに迷惑がかかると思ってんだろ。そんなこと気にしなくていいんだからな」 「でも、リエヴルが可哀想だし⋯⋯ぼくのせいでベンゲルの代わりのペアがいないと思うと⋯⋯」 「全く、お前はお人好しが過ぎるぞ⋯⋯!」 「じゃあ、こうしようか。まだ相手が決まらないのなら、その間、私が相手になろうか」 「え⋯⋯?」 我が耳を疑った。 まさかいつも願っていたことが今、叶う。 「アラタス君は嫌かい?」 「嫌なんて、全然⋯⋯!! でも、恐れ多いです」 「そんなことないよ。アラタス君が気持ちよく補習を受けられるようにしてあげるだけだから」 「いや、先生。先生との行為はさすがにしてはいけないんじゃ⋯⋯」 「行為はしないよ。違った形でアラタス君に魔力供給するんだよ」 「はぁ⋯⋯左様ですか⋯⋯」 どこか腑に落ちないベンゲルを尻目に、ミコはルイス先生のことを見つめていた。 今からスるんだ。 先生の細くて綺麗な指をナカに埋めて、一番気持ちいいところを優しく押されて、はしたない声を上げて、それでも可愛いと言って、優しく微笑む顔を間近で見て、ぎゅうっと萎みを締めてしまいそうなほどに悦んでしまって、それから、それから──⋯⋯。

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