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99.
「そういえばアラタス君は、今日の補習は終わったのかな?」
「⋯⋯ぁ、あ、いえ、まだです」
「ならちょうどいい。今から補習するための準備をしようか」
にこりと笑いかけられた。
どくん、と高鳴った。
「え、えっ、本気で言ってるんですか?」
「はい」
「はぁ? お前、ちょ⋯⋯っ」
行こうかと手を差し伸べるその仕草が紳士的で、自分のことを大切にされているような気持ちになったミコは、夢を見ているような目をし、その手を取った。
瞬間、目の前が真っ暗になった。
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