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102.※フリグス視点

抱き上げているリエヴルを鬱陶しそうにしながら答えた。 何故、そんな面倒なやつを連れてきたのか。 「で、わざわざオレに何の用だ」 「あ、そうだっ、ヤツ⋯ミ⋯⋯アラタスのやつが、ルイス先生とどっかに行っちまったみたいで⋯⋯!」 眉が上がる。 ヤツが誰とどこに行こうか勝手だが、あの教師となると話は別だ。 それにコイツの尋常ではない感じに気にせずにはいられない。 「⋯⋯どういうことだ」 「コイツ、アネルヴがアラタスのことが心配だから見に行ってくれって、言ってきたもんだから、渋々行ってみたら、話の流れでアイツがオレとペアになってくれないかと言ってきて⋯⋯」 「アイツがお前と⋯⋯?」 ピキっと青筋を立てる。 途端、ベンゲルがあわあわと青ざめた。 「代えたいって言うのはしょうがないじゃーん。だって、フリグスがミコのことを泣かしたんだよ? そんなにも酷いことをしたの⋯⋯?」 ベンゲルの頬を撫でながら言うリエヴルを「やめろっ、てか下りろよ」と言うが、「やだよぉ〜」と頭を抱きしめた。 そんなやり取りを一瞥もしないフリグスはリエヴルの言葉を反芻した。 酷いこと? オレはただ⋯⋯。 握り拳を作る。 それから、小さくため息を吐いた。 「その話は今はいい。で、アイツがペアを代えたいって話していた時、あの先生が来たのか」 「ええ、オレも⋯まぁ⋯⋯ちょうどいい頃合いと言いましょうか。代えようかなと思っていたら、アネルヴはどうするのかと先生に言われまして、だったら決まるまでの間、先生とペアにならないかと持ちかけてきたんです」 「先生とペアになるのは校則違反だったはずだが?」 「そ、そうなんです! オレもそう言ったんですよ! そしたら先生は行為以外の方法で魔力供給をすると言ったもんだから、アイツその気になって先生の手を取った瞬間、アラタスのやつ急に倒れて、どうしたもんかと思っていたら、先生が抱き上げて、何かの呪文を唱えたら、どっかに繋がっている異空間みたいなところに行ってしまって⋯⋯」

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