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その結果がすぐに表れた。 亡くなったと、嘆き悲しんでいる両親を見かけたからだ。 その様子を見て、ぱあっと明るくなるぐらい嬉しくなった。 これで見てくれる。 嬉しくてたまらなくて、そんな両親の元に駆け寄った。 この魔法で、しんだんだよ! 結局光魔法はできなかったけど、他の新しい魔法ができたことを褒めて欲しかっただけだった。 それなのに、この期待とは裏腹に両親は引っ張っていた袖を振り払い、こちらを見下ろした。 身が竦むほどの憎悪で。 ──この欠陥品が。 まず父親が罵った。 ──この能無し、汚い手で触らないで頂戴。 次に母親が罵った。 どうして? ぼく、すごい魔法を唱えられるようになったんだよ。なにがいけないの。 純粋な疑問を口にしたのがいけなかったようだった。 激昂した両親がありったけの罵声を上げ、次に思わず泣き出してしまうぐらい叩かれ、殴られ続けた。 それでは飽き足らず、父親がある魔法を唱えた。 そんな顔、もう二度と見たくない、と言い添えて。 瞬間、腫れ上がった顔がジリジリと灼けつく激しい痛みが襲った。 痛い痛いと、顔を覆ってその場で狂ったようにのたうち回った。 何をしたの。痛いよ、助けて。 その嘆きも泣き叫ぶ声にしかならなく、届かなかった。 だから、誰も助けてくれなかった。

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