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でも、そばに置いておかないとこの子はもしかしたら、この森に二度とやって来ないかもしれない。
そんなの嫌だ。
こんな純真無垢な子、きっと二度と会えない。
何か自分といたと憶えているための証を刻んでおかないと。
お腹がいっぱいで寝にいったのを機に、その子の身ぐるみを剥がした。
すると露わになるのは、極端に痩せ細ってない子どもらしい柔らかな身体つきに健康的な肌に細かい傷が付いていた。
親に見捨てられてなさそうな身体の具合に、羨ましいと複雑な気持ちを抱えつつ、その肌に指先を滑らせた。
小さく呻くような寝言を呟く少年の声に、ぞくっと震わせた。
可愛い。
そのまま胸からへそ、そして、まだ幼い少年の未精通であろうソレに、ちょんと触れた。
「ん⋯⋯ん⋯⋯っ」
ぴくぴくとさせた。
可愛いな。なんて可愛いんだろう。
頬をうっすらと染めた。
そうだ。ここに自分といた証を残しておこう。
そう思い至った時、少年が起きてしまった。
が、ちょうどいい。出会った日の記念日を共に見届けて欲しい。
そう思いながら、少年の根元に嵌めた。
次にまた会えた時は、一緒にいよう。
それまでに顔を作り上げておくから。
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