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「ちょっと嫌そうな顔をしているじゃないか」
目ざとく見られ、はっとした顔になる。
「ま、しょうがないじゃないか。この部屋、やけに広くて響くからな。オレらのことを見ただけでも不愉快に思っている上に、自分を除け者にされて面白くないんだろ」
「口枷されている相手とどう口で会話しろと? どうやっても意思の疎通は難しいだろ」
「いやいや、なにも上の口だけではないだろ」
そう言ってきた者に、ああそうだったという顔をし、それから笑った。不敵な笑いを。
「お喋りはここまでして、今日も愉しいことをしてやろうか」
「一応、罪を犯している相手なのに一緒になって悦んでいるよな」
「そんなの、オレらに抱かれている時の話だけさ」
檻の外と繋ぐ唯一の扉からぞろぞろと入ってきた屈強な男達が、目の前にやってきた。
「おい、オレらが来たらするべきことがあるんだろ」
頭辺りに一蹴りされる。
小さく呻いた。
言う通りにしないとまた蹴られると思い、痛みで悲鳴を上げ、手が使えないために捩りながら身体を起こし、それから限界まで広げた両足を膝が着いた状態にし、胸を見せるように背中をこれ以上ないぐらいに反らした。
これが彼らが言う"待機のポーズ"だ。
散々弄られて、腫れているような少し膨らみがある乳首をやや強く摘んできた。
「んっ」と声を漏らすと、摘んできた男は口角を上げた。
「オレらが来た時に起きたのは褒めてやる。だが、本来はこのポーズで待たないといけないんだからな。分かったか?」
「んっ、んんっ」
「分かったのかと聞いているんだが」
「んぅぅっ」
乳首をつねられ、悲鳴のような呻き声を上げた。
それでも自分の言うことを聞かないとさらに捻ってきたことで、分かったから止めて欲しいと頭を上下に強く振った。
「ようやく分かったか」
ぱっと手を離され、無意識に身を屈めた。
「⋯⋯おい、誰が止めていいと言った」
地を這うような声が聞こえ、途端に姿勢を正した。
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