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第26話 ずっと、俺のもので居れば……
「……もしかして、あの男と……寝たの……か?」
そう聞かれて、光希は、思わず笑ってしまった。
「はあ?」
「……だって、一緒にラブホで泊まったんだろ……」
健太郎がゴチャゴチャと言っているのを聞いて、光希は「あのさあ」とうんざりしたように言う
「もし、龍臣と寝たからって、それが、健太郎に何の関係があるんだよ。せいぜい、俺が、変な病気とか持ってるかとかくらいだろ。でも、それをいうなら、お前だって、一緒だろ? あちこちに、オンナが居ただろ?」
「うっ……、それは、そうなんだけど……、でも、光希はさ……俺しか居ないと思ってたから。だから……、その……」
「それって、健太郎は、あちこち遊んでてもOKだけど、俺は、遊んじゃ駄目ってことだろ。何でだよ」
光希が不機嫌に言うと、「だって、俺がいやなんだよ!」と叫びながら、健太郎が光希の手を取った。
「えっ……?」
「だって……その……、俺はっ! 光希が、他の男とヤってるのは、いやなんだよっ! 俺のことはどうでも良いだろ!」
訳が分からなかった。
光希は「お前、それ、あまりにも身勝手じゃないか……?」
と眉をひそめたところを、ぐい、と手を引っ張られた。
無理矢理、抱き寄せられ、抗議の声を上げる前に、キスをされた。今まで感じた事がないほど、健太郎は酒臭かった。
健太郎が、支離滅裂な受け答えをしているのは、酔っているせいなのだ。それは解ったが……、無理矢理キスをされるのも不愉快だった。身をよじって抵抗していたが、健太郎は、体勢をたやすく変えて、光希を床に押し倒す。
冷たくて、固い床のを、背中に感じていた。
「……っ健太郎っ!!」
「……お前はさ……」
と言いながら、健太郎は、光希の服の中に手を忍ばせてくる。いきなり、性器を強い力で掴まれて、息が詰まった。
「……っ!!!」
「お前は……、俺とだけ、してれば良いんだよ……」
訳の分からないことを、光希の耳に直接注ぎ込む。
「はっ……? なんで、そんなこと……」
「良いんだよ……、お前はさ……、ずっと、俺のもので居れば……」
健太郎の手の感触は、あまりにも馴染んでいて、たやすく光希は反応してしまう。
「あっ……っんんん……っ」
思わず声を上げてしまった光希を見て、健太郎が、満足そうに笑った。
「俺以外に、お前の事を、こんな風に気持ち良くさせる男がいるのかよ……。なあ、その、龍臣ってやつも……、河井買ってくれたの? ……そいつに、ヤられて、今みたいに、あんあん言ってたの……?」
健太郎が光希の性器を弄びながら、耳元に囁く。
「……っ……っ!」
「……まあ、お前……、こんな風にさ、弄られたら、誰でも良いのか……。まあ、ビッチだなあ。男相手にも、いうのかわかんないけどさ」
ははは、と笑いながら、健太郎は光希の服を剥ぎ取っていく。
「……ふうん……? 別に、痕とかは付いてないんだ。……じゃあ、俺は、付けといてやるか。……龍臣だった? そいつがさ、見た時に、お前が誰のものか解るようにしておいてやらないと……」
そう言いながら、健太郎は裸の光希の胸や、鎖骨、首のあたりにキスを落としていく。ふんわりと唇が降りて、キュッと吸われる。肌をチリッと刺激が与えられた。そうかと思うと、今度は歯を立ててかじられたりもしたし、そのまま、茱萸のような美しい赤に染まって立ち上がった乳首を舌先で嬲られて、吸われたり、歯を立てられたりした。
「あっ……っあ……っあああ……っあっ……っ」
そのたびに、光希の口から甘い声が漏れる。
乳首は、今まであまりされたことはなかった。
(あ……なんで……っ……女の子みたいに……、こんなとこ……)
こんな所がこんな風に感じるなんて、今まで、知らなかった。
多少触られて、気持ちが良いなとは思ったことはあるが、乳首だけでもイきそうになるほど気持ちが良いのは初めてで、身体が勝手に反応する。
「あっ……っあ……っ……ああ……」
「なんだ……、かじられて気持ちがいいんだ」
健太郎が薄く笑う。
「……大丈夫だよ、心配しなくても、龍臣ってやつより、良くしてやるよ」
健太郎の囁きが、光希の肌に落ちた。
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