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第10話もう無理※

 何が違う訳じゃなかった。セフレの時だって、タカは僕を執拗に愛撫した。でも好きだという気持ちを隠さなくても良くなったせいなのか、僕はバカみたいに敏感になってしまった。 「凄い…。奏のこれヌルヌルだ。」  そう言いながら僕のビクビクする昂りを焦らす様に撫でるから、僕は甘く呻いてタカの手に押し付ける様に腰を揺らしてしまう。ふいにその気持ちよさが離れて、僕は顔を顰めた。    そんな僕の顔に近づいたタカは、柔らかく唇を押し当てるとニヤリと笑って言った。 「まだ我慢しろ。俺はもっと奏を可愛がりたいんだ。」  僕はタカの頬を指でなぞってため息をついた。 「たか…、もっとキス…。」  タカは僕を睨むと、いきなり口の中を犯す様に舌で掻き混ぜてきた。絡めあう舌が甘く感じて、僕は直ぐに我を忘れた。どれだけキスしていたのか分からないけれど、口の中が少し痺れた気がして、僕たちは顔を見合わせて笑った。 「奏が可愛くて盛った…。今までだって可愛くて、俺歯を食いしばって我慢してたんだ。全然気付かなかった?」  そう言いながら目を細めて、意地悪な表情で僕を見つめるタカの視線に囚われて、僕はため息をついた。 「…全然分からなかった。いつ?‥んっ。」  タカは僕の指を持ち上げて舌でなぞりながら、少し笑った。 「気持ちいい?…奏が寝込んだ時、お見舞いに部屋に行っただろう?帰ろうとした俺の腕を掴んで見上げられた時、あれヤバかった。抱きしめてキスしたかったけど、そんなのしたら止まれなかったし、晴美に絶対ダメって釘刺されてたし。」  僕は目を見開いてしまった。 「え!安田君、僕たちの事知ってるの?」  タカはしまったと言う顔をして、顔を顰めて言った。 「怒られたんだ。無理させて奏の身体傷つけた事。それに奏が好きでも無い相手とこんな関係になるわけ無いって。それに俺も、ずっと奏の事を特別視してきただろうって晴美に言われて、自分でようやく気持ちに気づいたって言うか。  でもその時にはもう俺たちの関係は拗れてて、俺はどうして良いか分からなかった。打ち明けて奏に嫌われたら、もうこうやってキスも出来ないって思って勇気が出なかったんだ。俺、奏の事になると全然ダメなんだ。」  僕はタカの告白に驚いたけれど、僕と同じ様にタカが悩んでいたんだと知ってちょっと気が済んだ。それにタカの舌が僕の指をチロチロするから、僕は自分の高まった身体をタカの逞しい身体に押し付けた。  すっかり硬くなったタカのずしりとする昂りに僕のそれが押し潰されると、何とも言えないもどかしい気持ち良さが僕を襲ってきた。 「あっ、ぁあ、あんっ!」  押し潰されたまま、捏ねるようにタカが腰を動かすので、僕は甘える様な声が我慢出来ない。タカはそんな僕の顔をじっと見て、目尻を赤らめて言った。 「…かなでの声、ダイレクトにくるんだけど。今回こそはじっくりしたいのに、そんなに煽られたら我慢できない。」  そう言うと大きく深呼吸して渋々腰を引き剥がした。僕はさっきまでの甘い快感を失ってため息をつきながら、喘ぎすぎて乾いた唇を舐めた。タカの目が細まった気がして、身体を起こしたタカが優しく僕の身体を下に向かって両手でなぞって行った。  脇を撫でる指先も僕を疼かせたし、腿や内股をゆっくりなぞりながら広げられて、僕は前回の気持ち良さを思い出して期待にゾクゾクした。いつの間に用意したのかタカがジェルを手に出すと僕の股間に塗り広げた。 「…温かい。」  タカはニヤリと笑って、ネットで色々買ったんだと言った。タカが指先で優しく僕の窄みの周囲をなぞって、少し上をグッと押すと、妙な疼きが走った。 「ここも気持ち良いだろう?晴美に言われて俺凄い研究したんだ。奏の事グズグズにして、俺から離れられなくなる様にって。」  僕が返事をする前に、タカの悪戯な指はつぷりと僕の後ろをゆっくりと解して行った。それは自分でするより何倍も良くて、タカが僕の恥ずかしい場所を真剣に凝視してるせいで、その羞恥心が僕をもっと興奮させた。 「あっ!ダメっ、そこ何かきちゃうっ!」  グッと押し込まれて、僕は大きく喘いだ。自分ではどうしても怖くて入り口しか拡げられなかったのに、今はタカを信じて優しい愛撫に呻いていた。  指が引き抜かれる度に部屋に響くジェルの水音と、増やされた指の圧迫感と熱さで疼く感触に、僕はあっという間に追い詰められていった。 「んんっ、あっ、ああっ!タカっ!んんー!」  逃げようの無い苦しさと紙一重の絶頂で、僕は自分のお腹に温かな白濁を飛ばしていた。グッタリとした僕の中からぬぽっと指を引き抜いたタカは、赤らんだ顔で僕に覆いかぶさって言った。 「前よりゆっくり頑張るから…。かなでもあまり締め付けるな…。」

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